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増えつづけるしかない医療費をどうするか [政治]

近年医療費がかさみ、健康保険組合の赤字が増えている。リストラや非正規雇用がはびこって、国民健康保険は支払いの出来ない加入者が増えて、どこも未曾有の赤字を抱える。負担の大きさに耐えられず、政府が医療費の抑制を打ち出すようになって久しい。

治療よりも予防と、メタボ対策に力を入れたり、医薬分業で過剰投薬を防いだり、はたまた老人を長期入院から追い出したり、医療費の抑制が躍起になって推進されている。医者の数を制限して医師不足にさせることまでしているが、それでも医療費は増えつづけ、健康保健制度は危機に瀕している。

よく考えて見れば、実は医療費の増加は必然であり、抑制など出来ないのである。人間の寿命が延びれば、それだけ一人あたりの医療費は増える。いくら予防をしても、人間は必ず死に、死ぬ前に大病をする。昔は簡単な病気で死んでいたから医療費はかからなかった。今では、かなりの大病をしても、医療費を使うことで命をながらえ、最終的にはまた大病をして死ぬのだから当然使う医療費は増える。人類が発展する限り、医療費は増えざるを得ない。言い換えれば、医療費を増やすためにどう社会を変えていくかが人類の課題なのだ。

医療費は増加するものだと言うことが事がわかれば、これをどう負担していくかが問題になる。他のこととは違って医療費は金がないから我慢するというわけにはいかない。現在も生活保護の人や、障害があって働けない人、刑務所の中の人などは全額国の負担になっている。まさか金が無いやつは死ねというような政府を容認するわけにはいかない。医療費の負担は社会的に考えるしかない。社会の進歩とは医療費の増加に耐え抜くことなのだと覚悟してかかる必要がある。

安直な回答として消費税を増やすことを言い出す政治家は多い。しかし、実は消費税で物事は解決しないのである。消費税が直撃するのはお金の無い人たちで、それだけ生活費はかさむので、当然生活保護基準は引き上げなくてはならない。貧困政策を怠れば結果的に刑務所人口を増やすから、どっちみち政府が医療費を負担しなければならない人数は消費税のために増える。医療費そのものにも消費税分の増加があるし、高額医療費補助の請求は増える。もちろん消費を抑制する税だから他の税収はそのために減る。とどのつまり、消費税は新たな財源不足を招く。

消費税をうちでの小槌と思い、何でも財源は消費税でまかなえると考えるのは実は幻想にすぎない。医療費を消費税に頼るなどすれば、いくら増やしても切りが無いことになる。

医療費だけでなく年金の問題もある。結局、将来の政府は税金の使い方を抜本的に変えるしかない。これは無駄をなくすなどという生易しいものではない。国の威信やプライドはかなぐり捨てて、生きることに専念するしかないのだ。古典的な国家支出つまり、防衛とか皇室とか建設、治水とかの経費をばっさり削って医療・福祉に回すことになる。政府高官には不本意かもしれないが、これしかないだろう。

予算の枠組みをひっくり返すなどと言うことは大改革が必要ということになるが、実はそうでもない。幸い日本には25条や9条を含む憲法がある。単にこれを厳格に適用すれば良いだけである。


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