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北朝鮮による拉致目的の謎 [北朝鮮]

拉致問題には3つの大きな謎がある。事件の隠蔽拉致の目的、そして解決の目途が立たないダラダラ外交が延々と続けられている謎だ。

2番目の謎である。拉致の目的について考えてみよう。

公式には日本語の翻訳となっているが、そんなバカな話はないだろう。日本語が達者な朝鮮人はごまんといて、日本国内には朝鮮総連という大組織もある。日本語教師や日本の情報のために拉致などはまったく必要の無いことだ。拉致の目的は何か。拉致被害者が実際に北朝鮮で何をしていたかの詳細は明らかにされていないし、質問しても「政府の聴聞に話したとおりです」と言う返事が返ってくるだけである。マスコミとの記者会見でもこの点について深く質問しないことが、暗黙の了解になっているらしい。

おそらく拉致の目的は日本人工作員の養成だっただろう。それが、北朝鮮にとって、拉致という非道な手段をつかっても、どうしても必要なことだったのだ。

その理由を説明しよう。アメリカの国防長官だったマクナマラ氏の述回にあるように、こう言うことは敵(相手)の立場に立って考える必要がある。相手の立場に立って見ることが出来なければその時点で作戦は敗北だ。私は北朝鮮を侵略しようなどと思わないし、ほかの日本人がそんなことを考えているはずもないと思うが、北朝鮮から見れば、日本は脅威に他ならない。過去には朝鮮を侵略した実績もある。日本人が急に心根を変えるはずが無いので今も朝鮮を侵略したがっているに違いない。そう本気で思っていて当然なのだ。

日本をなんとかしなければ、今に北朝鮮に攻め込んでくる。しかし、拉致が盛んに行われた1980年代の日本の状況は、学生運動も鎮まり、北朝鮮にとっては不安な時代だった。北朝鮮の10倍以上の軍備を備えた自衛隊を増強しているしが、日本の反政府勢力はどうも心もとない。共産党や社会党は議会選挙にうつつをぬかして、武装闘争に立ちあがってくれる気配も無い。共産党に至っては北朝鮮の独裁・個人崇拝を厳しく批判する始末で、まったく北朝鮮の影響を受け付けない。ここはどうしても金日成思想で武装した日本人勢力を作り上げるしかない。

これが拉致の目的だったのだ。日本人を拉致してくればその目的を達成できるようにも思えないが、それは日本で考えることだ。北朝鮮は金日成の主体思想で凝り固まっている。マルクス・レーニンを越えた思想の最高峰であり、宗教的な権威にまでなっている。これは当然、世界の指導原理になるものであり、日本に広まらないのは日本に金日成思想を学習する機会が無いからだ。拉致してきて無理やりこの思想に触れさせれば、たちまち立派な運動家になる。

そう考えるのは、北朝鮮では極めて自然な発想なのだ。現に、「スターリン主義国・北朝鮮を解体し世界革命の根拠地にする」と言っていた赤軍派のよど号乗っ取りグループは、北朝鮮に来てころりと金日成主義者に変わった。おそらく、拉致被害者たちも、多くは金日成主義者に変わったことだろう。少なくとも迎合して金日成主義者を演じていたことは間違いない。それを拒んで抵抗した人たちは死んだからだ。

日本人はヨーロッパに派遣されて、他の人の拉致の手助けをしたりしている。蓮池氏あたりは、日本に潜入して工作していたという目撃証言さえある。彼らの毎日は翻訳ではなく工作員としての訓練だっただろう。また実際に工作員として成績を出したことだろう。だから厚遇された生活ができたわけだ。一方で死んだ人が多いのはやはり工作員になることを拒否したせいだろうし、あるいは仲間から反金日成思想を密告された可能性もある。

北朝鮮側の誤算は、思想改造して金日成主義者になった拉致被害者たちが、日本に戻って、またころりと資本主義に洗脳されるとは思わなかったことだ。日本に返せば、日本国内で金日成主義の運動を展開してくれるものだとばかり思っていたから、帰国させたのに拉致被害者たちは日本政府の代弁者になってしまった。

政府と拉致被害者の密約があって、政府に都合の良いことだけしか話さない代わりに、北朝鮮でやったことの全てに対して免罪することになっているにちがいない。だから拉致被害者たちの北朝鮮での生活の詳細が語られることはないし、拉致目的の謎も解けないままになっている。すべて日本政府の思惑にしたがって、軍事力の増強に役立つ世論操作の情報だけが流されているのだ。

タグ:拉致問題
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