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安倍首相が辞任した理由 [政治]

3年前の手紙が出てきた。まだ入院中のころだったが、今読んで見ると面白い。

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安倍首相の辞任会見を非常に奇異なものと感じませんでしたか?。政治資金・年金・雇用と安倍首相を追い込んだものが一杯あるのに、この会見では「テロとの戦い」のことばかりで、それしか言わないという異常さです。安倍氏が最初から「テロとの戦い」で登場したわけでもなく、これまで「テロとの戦い」を第一課題に押してきたわけでもありま
せん。なぜ、辞任の時だけ「テロとの戦い」ばかりになるのかと言うのが私の疑問に思ったところです。

安倍氏の思想的基盤を考えて見ましょう。安倍氏はあの時代の学生運動にも影響されず、特殊な環境で育った純粋培養の右翼です。「自由主義史観」と自称する歴史教科書歪曲派に属し物事を観念的に歪曲して見ます。「自由主義史観」というのも変な造語ですが、一言で言ってしまえば「皇国史観+親米」です。
こんなつぎはぎが成り立つのかと思うのですが、再軍備も憲法改悪も、実際日本の戦後はアメリカの後押しで「復古」を進めて来たわけですから、実は現実的基盤は意外と強固なのです。右傾化をアメリカの後押しですすめるのが自民党政治の基調だったわけです。

さて安倍首相が力をいれてやったことは、「美しい日本」を戦後レジームから脱却させるという改憲路線の推進でした。国民が望んでいた年金・格差・雇用の問題には全く関心を示さず。街宣右翼さながらに皇国ニッポンを褒め称えるばかりでした。安倍首相はこの右翼路線は当然、アメリカからも支持されると踏んでいたでしょう。

しかし、訪米のあとガラっと落ち着きがなくなりました。日米会談で明らかになったことは、やはり日本が中国朝鮮を侵略したという事実は消しようがなく、世界は第二次世界大戦への反省から出発した「戦後レジーム」で成り立っているという事実です。慰安婦問題などで思いもしなかったアメリカ社会とブッシュ大統領からの批判を受け、思想的に動揺を受けてしまったのです。ブッシュ大統領は皇国史観にあからさまな嫌悪を示しました。

自民党政府にとって命より大切な日米関係が折れ曲がった。これは大変なことです。だから豪州会談ではひたすらアメリカのご機嫌を取らざるを得なかった。これが突然言い出した「テロとの戦い」の重視であり、その結果、職を賭けるとまでの極端な発言になったということではないかと思うのです。参議院選挙で破れても、政治資金でボロ出ても、それまでの首相は他人事の様に平然としていたではありませんか。しかし、豪州会談のあと急に時期遅れの「テロとの戦い」を言い出し、辞任までそれ一辺倒だったのです。

安倍首相にとって給油停止による日米関係の歪は、「皇国史観」にブッシュ大統を同調させようとした大失策と
重なって取り返しのつかない汚点になってしまったわけです。「皇国史観+親米」という思想的基盤が崩れたことによる動揺こそが安倍首相を辞任に追い込んだ本当の理由ではないでしょうか。

これは、改憲思想が破綻に追い込まれているという事です。憲法9条は世界史的にみれば人類の進歩の方向を示すものです。「皇国史観+親米」などというチンケなもので蹂躙できるはずはありません。ここしばらく持ちこたえれば、きっと憲法は守り切ることが出来ると思います。


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