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諸悪の根源は何か [社会]

「諸悪の根源」という言葉がある。これさえなければと言う時につかうのだが、民主党は官僚支配が諸悪の根源と言っていたが、政権をとってからは言わなくなった。たぶん始めからそうは思っていなかったのだろう。戦いのためには悪役が必要であり、それを官僚にしたにすぎない。大日本帝国は中国が大東亜の平和を乱す諸悪の根源だといっていた。中国政府が奥地に逃げ出してからは諸悪の根源を英米に切り替えた。こういった風に諸悪の根源を軽く扱われてしまうのも困り者だが、この年末、本当の意味での諸悪の根源を考えてみた。

これさえなければ、この一点を除けば世の中はすべて良くなる。そんな集中点があるあろうか。僕はそれを「下請け制度」だと指摘する。下請けとは上下関係を伴った関連組織であり、この「上下関係を伴った」というのが日本独特の制度で現在の日本をどんづまりに追い込んでいる元凶なのだ。

多くの労働者が年を越すのに苦労している。過重な労働にも関わらす賃金は低い。年金の支給は送らされ、定年と称する年令差別による解雇が横行している。さらに平気な顔で金持ち減税は保持したままで、消費税を引き上げ、低所得者からさらに搾り取ろうとしている。欧州の基準から言えば暴動が起こっても不思議がない状況なのに日本ではストライキすら起こらない。

こんな給料でも、下請けの人たちから見ればましだ。派遣はもっと酷い。そう思って我慢している。下手にさわいで下受けの立場に落とされたくない。正社員のポストから追っ払われたくない。そう思って我慢している。多くの会社は経営が苦しく、ストライキをしたところで、会社がつぶれるのが落ちだ。そう思って我慢している。

なぜ、ストライキが効力を持たないかというと、自社の都合で賃金を決められない会社があまりのも多いからだ。実際、多くの会社は、親会社よりも安い賃金をベースに、親会社に勝手に納入価格を決められてしまっている。親会社が金を払ってくれないことには賃金の上げようがない。本当の交渉相手は親会社ということになるが、もちろん別会社ということになっているから相手にもされない。争議を起こしても会社ごと潰されるのが落ちだ。

子会社は親会社の下で給料が安いことが当然とされる。派遣は正社員よりも賃金が安いことが当然とされる。賃金は身分によって決り、同一労働同一賃金の原則など有ったものではない。こういった奇妙な風習が日本の経済をゆがめ、輸出過剰にも関わらず円高になるという他の国ではありえないような事態を招いている。給料が下がり続けるという異常な事態もこのためのものだ。

下請け制度がなくなり、労使関係がカラッとした拮抗関係になれば、おのずと社会は正しい方向に変化していく。様々な馬鹿げた政治現象は消えていくだろう。だから「下請け制度」が諸悪の根源だと指摘するのだ。

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