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原発なくしてこれからどうする [原発]

福島原発の事故で、原子力の安全性は決定的に信用を失った。もはや日本に原発の建設を受け入れる町はないだろう。今ある原発も止めてしまおうというのが大方の意見だ。その後の電力をどうするかについていろんな議論があるが、風力や太陽光だけでまかなえるとは思えない人が多い。

当面は良い。日本の原発依存率は15%に過ぎないから、いろんな機器の効率をあげれば、特に火力や太陽光を増やさなくてもなんとかなる。現在の技術で、老朽化した効率の悪い機器を置き換えるだけで30%もの節電ができるそうだ。地球の温暖化から考えれば今までの日本がエネルギーの使い過ぎだったのだ。

しかし、化石エネルギーが枯渇するのは時間の問題だ。石油の寿命は長くてあと50年。原子力が今まで容認されてきたのは現在の需要より、将来のエネルギー資源を引き合いに出しての議論からだった。世界的規模で考えれば、現在ほとんどエネルギーを使っていない人たちがどれくらい多いかに驚かされる。その人たちが日本の現在の半分位まで使うようになれば化石燃料の枯渇はあっと言う間に起こる。

曇り空が80%であり、また風の方向も定まらない地形で、風力や太陽光がすべての火力に取って変われるとはとても思えない。風力や太陽光も多分に石油化合物にその原料を依存しているのだ。この点ではもともと原子力(軽水炉)は解決策ではなかった。ウラン資源は、石油・天然ガスよりも、もっと少ない。

核融合が実用化されればエネルギー資源の心配はなくなるが50年程度では出来そうも無い。原発も燃料が長持ちしないが、高速増殖させて燃料を作り出すことが出来る。今のところ高速増殖炉が500年くらいは持ちそうな唯一のエネルギー源だろう。だから原発の技術は捨ててしまうわけにはいかないと思う。ナトリウムなど危険性は高く、すぐに実用化すると言う「もんじゅ」方式の前提は間違っているが、50年後の実用化を目指して地道な研究は続けるべきだ。

しかし、今の日本の状況をみれば、抜本的な技術改良をやったとしても、それだけで原発が安全になるとはとても考えられない。もうける為には安全を犠牲にしてなんとも思わない体質から抜け出すことは出来無いし、大会社と政府が癒着してしまうのを防ぐことも出来ない。日本の社会はこういった強力で危険な技術を使うにはあまりにも未成熟と言うしかない。

日本列島に原発を作ることははっきりと諦めよう。エネルギー問題は国などと言う狭い枠で考えるべきではない。中国のように過去1000年間マグニチュード4以上の地震がなかったことを立地条件にすれば日本に原発は作れないことが明らかだ。国益などと言うことを忘れ、世界が合意して、必要なエネルギーは一番安全な場所で、一番安全な方法で作ることを考えるべきだ。そのため日本も日本列島には原発を作らないが全力をあげて技術開発に協力努力する必要がある。

そんなことができるだろうか。もちろん、国どうしがいがみ合っている間は出来ない。原子力は人類が進歩して、国などという枠組に拘泥しなくなった時初めて使用可能なのだ。日本国憲法第九条の精神が世界に受け入れられるように急がなければならない。化石エネルギーが枯渇するまでに国どうしのわだかまりを解決しなければならないからだ。
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