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沖縄と福島--その共通するもの [社会]

今年は福島と沖縄に旅行した。そしてこの2つの県に共通するものに気が付いた。どちらも札束で顔をはたかれてきた県なのだ。福島は原発、沖縄は基地だ。全国各地でのやっかいものを引き受ける他に生活の基盤を確保する見込みが立たない。

福島は、仙台を中心とする東北文化から見ても辺境になる。農業も沈滞するし、漁業も東京に直接水揚げする舟が多い。立地するものといえば幾つかの下請け工場位のものだ。子供たちが大きくなっても地元で大きな活躍をする夢がない。

沖縄も観光は目立つが特にこれといった産業はない。失業率は他県を抜いて高いし、収入レベルは低い。何を作っても消費地に遠いことはハンディーになる。やはり大志を持った子供たちは出ていくしかない。

先祖代代はぐくんできた地方都市のプライドを経状況が日々脅かす。それがコンプレックスに追い討ちをかける。なんとか金が落ちる工夫をしなければと焦らせる。その結果が原発の受け入れであったし、基地の存続だった。

沖縄では基地の弊害がわかっていた。それだから金に屈服して受け入れるか、あくまでも胸をはって基地を拒否するかの間で常に揺れ動いた。福島では原発事故でやっと弊害の本当の姿がわかり、今からの長い揺れ動きが始まる。

どちらも出発点は「受け入れる以外に発展の道がない」という意識だった。しかし考えて見れば、これは特にこの二ヵ所の問題ではないのだ。今や、将来の発展が見渡せる地域など何処にもない。かつて、豊かな農業生産を背景に栄えた地方都市はどこも凋落している。駅前商店街がシャッター通りになっていないところはないのだ。

新幹線や高速道路の発達、あるいは通信手段やインターネットの整備で、地方拠点の必要性は小さくなり、中央集権がますます進んだ。悪あがきは効果がなかった。工場誘致をしても、非正規雇用を作り出すだけだ。本社を持ってくるしか「発展」の可能性なんかないのだし、そんなことは中央集権の国で出来るわけがない。

事態に人々は反応しすぎている。大阪でさえ地盤沈下に追い込まれ漫才師やタレント弁護士のパフォーマンスに期待して騙されるくらいだ。地盤沈下がなんだ。経済沈滞がなんだ。どっちみち進む事態にやきもきすることはない。居直って、東京が人の住めない場所になるのを待つのが一番の道だろう。
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