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原発推進派の論客---中野さんの主張 [原発]

この期に及んで原発推進の論陣を張るのはどんな人だろう?ネットで検索すると京大の中野剛志なんて人が出てくる。学者にも原発に賛成する人がいるのかと思ったら、なんのことはない元は資源エネルギー庁長官官房原子力政策課の役人だから、まさに原発官僚だ。

人減らしで仕事の分担が増えて公務員は皆忙しいはずなのだが、中野氏のようなエリート官僚は、仕事もせず公費で英国留学をさせてもらう。原発推進の論陣を張るために育てられた純粋培養の原発推進論者ということになる。博士の学位を取って京大にポジションを得たのだが、それはハクをつけるためだから結局は、経産省にもどり、おそらく政治家になるにちがいない。

中野剛志氏の原発擁護論は、どのようなものだろうか。中野氏は反原発の唯一の論拠は、核のゴミ問題だと決め付ける。これは、原発推進論の泣き所が核のゴミ問題にあると意識していると言うことだろう。原発はいまだに放射性廃棄物の処理に見通しが立っていない欠陥技術なのだ。

しかし、彼は地下300mに埋めて解決すると言ってのける。まあ、これを素直に受け入れる人は少ないだろう。説得力がないことは本人にもわかる。そこで、彼は核のゴミ問題を原発反対論から切り離すトリックを考えた。核のゴミ問題は原発の賛否と関係がないと言い出す。すでに、核のゴミはあるのだから、原発への賛否に関わらず考えなくてはならない問題だと言う主張だ。

これは、明らかに間違っている。大量の核廃棄物が出るようになってまだ10年そこそこだが、すでにその量たるや膨大なものになっている。これをあと100年も続けて、どうにもならないくらいに増やすのかどうかの問題だ。すでにあるのだからなどと言うのは、ごまかしでしかない。確かに核のゴミは原発にとって致命的な未解決問題なのだ。

こういったごまかしで原発には何の問題もないとし、その勢いで問題のない原発に反対するのは左翼思想のせいだということに持っていく。原発は国家による国家のための事業であるから、国家が嫌いな人たちが反対するのは当然で、左翼は原発に反対しているのではなく実は国家に反対しているのだと解く。思想的立場とは関わりなく、放射能はだれでも好きではないのだが、それを認めたくないらしい。

確かに反原発と国家権力への反発は繋がったところがある。しかし、これは因果関係を逆に捉えている。原発事故の被害を見て、国の対応を見て、国家の御用学者の言説を見て、原発を押し付ける国家と言うものへの疑問が湧いてくるのである。国家に反対が原発反対を生み出したのではなく、原発反対が国家の支配体制への反対を生み出したのだ。右翼的立場でも現在の政府に対する批判はあるのだが、全部ひっくるめて現政府批判イコール左翼だとするのが官僚の発想だろう。

中野氏の「反原発になぜ左翼が多いのか」という分析は、実は「官僚になぜ原発推進が多いのか」の解答になっている。官僚は国家が大好きなのだ。中野氏が大学院に行けたのも、京大准教授のハクをつけてもらったのも、高給を得られるようになったのも、全て国家の税金のおかげだ。国家のための国家事業である原発をつぶすことは、大好きな国家権力を傷つけるのであり、到底容認できない。

中野氏の講演は、小林秀雄を引き合いに出して「僕はバカだから、反原発などと言うことに加担しない」と結んでいる。もちろん「バカだから」は居直りである。小林秀雄も「論理的に説得できないが」という意味で使っている。中野氏も自分の論理の頼りなさに気づきはしているのだろう。しかし、売り言葉に買い言葉だから、私はこの評論を「バカなら黙って引っ込んでいろ」と結ぶことにしよう。

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