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ブラック企業規制法案---審議に注目 [経済]

日本共産党が、参議院選挙の公約どおり、「ブラック企業規制法案」を提出した。サービス残業が発覚したら、労働者側が、「倍返しだ!」と言える残業手当2倍払いといったユニークな内容があって、話題にもなっている。

これまで共産党には提案権がなかったので「質問」という形でしか政策を出せなかったのだが、11人になったからぎりぎりで議案提出権を得た。早速、この権利を使って議案提出とはなかなかのものだ。

国会質問で、ブラック企業の実態を突きつけても「働く環境が良くなるように、会社も努力するよう期待します」なんて答えで、白黒をはっきりさせずにはぐらかされていたのだが、法案提出となると、各党は、賛成か反対かを決めなければならない。さあ、これがどうなるかが見ものだ。反対して否決するならその反対理由を述べなければならない。

おそらく、自民党側は官僚を総動員してアラを捜し、なんとか中身を審議しない方策を考えようとしているだろう。法案の出来しだいで、そういうこともありえる。あるいは審議の日程を引き伸ばす作戦に出るかもしれない。

法案提出は議員の数だけではできない。法律というのは他の法律との整合性だとか色々と難しい問題が多い。ブラック企業は労働法の抜け穴を使っているのだから、労働法を抜本的に改正するのが一番なのだが、細則とか施行規則とかまた閣議で決められてしまう省令などといった絡みがあり、何のことかわからない語句の羅列になって審議の内容がはぐらかされ、簡単に否決されてしまうという問題がある。

ブラック企業規制と労働法との関係は複雑で、下手をすると、まずこの法案は労働法の改正案が成立してから提出すべきものであるとして、審議せずにお蔵入りにすると言う手を使ってくる。今回提出された法案では、悪質なブラック企業の「名前を公表する」としているが、これも工夫の結果ではないだろうか。素人目には、生ぬるいように感じるが、ブラック企業の社長を懲役10年とかにすれば、今度は刑法の改正が必要になったりする。他の犯罪との量刑のバランスとか言い出してぐちゃぐちゃにしてしまうおそれもある。

こういった点を考え、審議せざるを得ない内容にまとめて、しかも実効あるようにするのが難しいところだ。

民主党なども提案権を持っているのだが、提出はあまりない。法案という形にするのはそれだけ大変なことなのだ。政府・自民党は、官僚という強い味方がいるので、この点では強い。着々と法案を提出して、野党はただ質問して抵抗するだけのことが多かった。法案提出は政策実行力の表れと言える。

この法案がどうなるかは見ものだ。社民党や民主党の心ある議員は、支援の体制をとってもらいたいものだ。


----------------- 追記 ----------------------
秘密保護法とかの法案目白押しで、通常国会は終了し、ブラック企業規正法は審議の議題に上らなかった。共産党は次期国会冒頭に再提出するという。ほかの野党も共同提案で応じてほしいものだ。


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