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東京電力の分社化 [原発]

東京電力が「分社化」を言い出した。経済性を無視して、金食い虫の原発を推進してきたのは、発電と配電を一緒くたにした経営のたまものであった。原発の地元対策費なども、原発コストに算入ぜずに、一般費用に含めてゴマかしてきた。将来の脱原発には、発電と配電の分離はかかせないものだ。高コストの原発は当然、利益優先の配電会社に見捨てられる。

しかし、分離に抵抗してきた東電が、今頃言い出すのはどうしたことだろう? 東電がまともに除染、廃炉しようとすれば、10兆円が必要だといわれている。もちろん、税金からの融資は受けられるのだが、これを返済すると50年くらいかかる。東電は、長期に渡って債務を支払うだけの会社は、日本を代表する企業にふさわしくないと盛んにアピールしている。税金から、返さなくても良い金を貰いたいということだ。

あれだけの事をやらかしたのだから、これで短期に優良会社に戻ろうというのは、虫の良すぎる話だ。東電の給与水準は福島事故で減額した今でも、平均で757万円、662万円の国家公務員より100万円も多い。大卒は大体1000万円を超えている。東電は、安定に電力を供給するための会社なのだから、別に利益が出なくてもよく、海外進出したり、国際競争力をつけたりしなくてよろしい。

東電の示す分割案では、全体を持ち株会社として、送電、販売、火力をそれぞれ別会社にしている。これは現在の社内カンパニーと同じだ。その他は現在は本社機能に含まれレいるのだが、それが、「持ち株会社」「原発会社」と「廃炉会社」に分かれるのが今回の目新しいところだ。

ようするに、原発事故の切り離しだ。全ての負債を「廃炉会社」に押し付けて、東電本体は優良会社に戻ろうというものだ。廃炉会社が倒産でもすれば、補償は何もなくなる仕掛けだ。そもそも「廃炉会社」は何で利益を産み出す会社となりえるのか?東電の説明では会社ではなく独立行政法人とも考えているらしい。つまり、事故の始末は全部税金に投げてしまうということだ。

「廃炉会社」は当然「原発会社」と一体であるべきだ。事故のコストを含めて、営業が成り立たないのなら、会社としても、原発は作れないのが、当然なのだ。事故の補償や廃炉がある間は、赤字が続いても、公的資金も投入しなければならない。国民にとっては大きな負担だが、原発推進政策を取る政府を選んだのは自分たちなのだから、仕方がない。事故処理が終わって、援助がなくなれば、「原発会社」は解散するしかなくなるだろう。

東電が考えるように、事故を切り離して、原発推進の優良会社にもどるなどと言うことは、許すわけにいかない。全てを税金でまかなわず、これまで散々東電で儲けてきた銀行にも債務放棄をさせて損失をかぶらせる必要がある。東電は銀行から3兆円もの融資を受け、事故でさらにこれが膨らみ、膨大な利子を銀行に支払っている。事故では、被害者も、一般の国民も負担を強いられているのだが、銀行だけは事故でますます利益を増やしているというのは度し難い。


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