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日本のASEAN外交 [国際]

日本とASEAN諸国の会議が東京であった。安倍首相は、この会議で盛んに中国批判を繰り返した。領土紛争で反中国を煽ったし、防空識別圏問題でも中国批判決議をあげようとした。ところが、各国の反対に会ってこれは失敗した。報道の見出しでは反中国を受け入れたように書かれているが、実際の決議では、一般的な表現に修正されており、あからさまな中国非難の内容はない。

各国首脳との個別会談でも、また同じ事を繰り返し、なんとか中国批判の言動を引き出そうとした。そのために、2兆円のODA大盤振る舞いを提示したのも見苦しい。財政が緊迫しているおり、原発事故の補償も出来ていないし、社会保障も切り詰めているのに、どこにそんな金があるのか?それでも、各国首脳は色よい返事をしていない。

考えてみれば当たりまえで、羽振りが良く見える日本も、将来的に大きく発展する展望は、最早ない。財政が行き詰っていることも、やたらと軍事路線に走っていることも、非正規雇用が増えて、人口が減りつつあることも、隠しようがないからだ。今後中国の影響力がますます強くなって行くことも明らかだ。ASEAN首脳は、一時の金に目がくらんで将来を売り渡すほどバカではないということだ。

もっと、重要なことは、ASEAN諸国は、各国が弱い立場であることを認識し、共同で、日本や中国に対応する結束を強めていることだ。政治的立場の違いや、内部の紛争があることを認めながら、結束を目指して毎年1000回に及ぶ話し合いをしている。かつてアメリカ主導でSEATOという軍事同盟の元におかれていた諸国だが、そんなことをしていたら大国にむしられるだけだと悟って、SEATOは解消された。フィリピンはアメリカの軍事基地さえ撤去した。

こういったASEAN諸国の変化が見えず、旧態依然として、金で釣ろうとする外交に失敗する安倍首相の姿勢は、恥さらしとしか言い様がない。


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