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いまさら、放射線はなぜ怖いか [原発]

放射線がなぜ怖いかというと、全く目に見えず浴びても感じられない得たいの知れないものだということがある。次にその被害のありかたが必ず致命的だということだ。少しだったら軽症で済むということはない。大量に浴びても、少しだけ浴びても、結果はガンになるということで、一様に重症である。ただその確率が違うだけだ。どんなにわずかであっても、浴びれば必ず相応にガンになる確率が上がる。

確率というのはなかなか体で理解しにくい。確率は、1人の人間の経験が役にた立たないという本質があるからだ。「俺は30年タバコを吸ってきたがガンになっていない。大丈夫だ。」などと言う人は多い。原発の元で40年暮らしてきたが事故なんてなかった。大丈夫だと多くの人が思っていた。だれもが、X線写真を撮って、ガンにならなかった経験を持っているから、X線写真と同じくらいですよと言われるとなんとなく安心してしまう。世の中のごまかしの多くは確率に関連するものだ。確率というのは危ないことだ。

そういったややこしいことはごめんだ。放射線には近づきたくない。一切浴びないようにしたいと思うのは山々だがそれは出来ない。放射線はどこにでもある。宇宙線は絶え間なく降り注いでいるし。人体の骨にはCa40があって、人体自体が放射線源なのだから、仕方がない。レントゲン写真を撮ればかなりの放射線を浴びるし、飛行機に乗れば宇宙線の量は格段に増える。

なるべく浴びないようにするのも、「頭隠して尻隠さず」になりやすい。見えないのだから、なにやらよくわからない測定器による数値にたよるしかないからだ。キャベツの規制値が500Bq/kgで、これに近いものがスーパーの棚に並んでいるが、キャベツに近づくと危ないなどというものではない。これは体内に入れないほうが良いというレベルのものだ。放射線は、数値にたよらなければ何の判断もできない。数値に弱い人にとってこれは怖い。

しかも、こういった単位や数値が非常にわかりにくい。とんでもない桁の数値が出てくる。東海村の加速器JPARCの事故で約1000億Bqの放射性同位元素が放出されたということを聞くと大きな数値だと感じる。しかし、これは福島の一億分の一にすぎない。周辺住宅地への影響は0.003μSvだから、どのホットスポットよりも小さい。

全エネルギーが集中してしまった最悪の事態で、加速器としては、これ以上の事故は原理的にありえないのだから、原発とは全く異なる。しかし、1000億Bqなどという放射線の数値だけをみれば、素人には、原発事故との区別が、簡単にはつかない。加速器や医療用X線と原発を同列に扱って、原発を免罪してしまう傾向や、科学全体を否定してしまう風潮も生まれる。何が怖くて何が怖くないかわからなくなってしまう。

素人にはわかりにくいということが、が恐ろしい。専門家の判断に頼らなければならないのだが、原発の専門家は多く原発の利害関係者であることを、いやと言うほど見せ付けられている。福島事故の直後に、専門家の安心させる下心を持った解説を何度も聞かされた。放射線は自然界にもあり、常々浴びているものだと言う事を利用して、怖くないという宣伝は電力会社が散々行ったことだ。だから、疑心暗鬼に陥ってしまう。これが怖い。

解決策は何かと言えば、やはり、一人ひとりがよく勉強するしかない。自然界にもあり、避けられない被爆に比較して、何を避けるのが効果的か。自分の経験ではなく、統計的事実から、何が本当に問題かを理解して、的確な世論を構成することが必要だ。全ての人に、これを求めるのは簡単ではない。しかし、人類が進歩して行けば、放射線に限らず、どっちみち色んな高度な判断が全ての人に求められるようになる。少なくとも判断をゆだねる人を正しく選び出すことが必要だ。それが民主主義であり、人類はこれに挑戦するしかない。

現状はと言えば、今の政府の放射線対策は、あの安倍内閣に運営されている。これが一番怖いことだ。

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