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今時の政治家 西川公也農水大臣 [政治と金]

西川公也農水大臣が、金にまつわる疑惑の対象となって追求されている。疑惑は実は、衆議院選挙以前からあった。だから西川公也氏は現職大臣でありながら落選した。しかし、自民党には、比例区重複立候補という当選保証制度があり、これで復活した。候補となれば必ず当選すると言う奇妙な制度ではある。

西川氏の疑惑は、もっと古く、20代の県庁職員時代からある。1971年に栃木県では、千振ダムの工事を請け負った建設業者に、コンクリート打ちの手抜き事件があり、この不備を見逃す見返りとして現金を受け取っていた技師が逮捕された。これが西川公也氏であるが、受け取った金額が2万円だったことから処分は見送られた。

利権の魅力に目覚め、政治的揉み消しに味をしめた西川氏は県会議員となる道を進んだ。何を達成したわけでもないのだが、栃木県議会議員を5期勤め、国会議員になった。地盤は栃木二区、農業を基盤とする土地柄だ。地縁血縁利権縁を駆使して地盤を固める典型的な田舎議員だと言える。

長男西川鎮央を政策秘書にしているが、勤務実態はなく、「NA企画」社長として、つり堀経営や、レストラン事業に精を出しているらしい。この「NA企画」にテレビや土産物を政治資金から発注している。甥の西川龍文氏が経営する「新西建材工業」にどういうわけか、車のリースや事務用品を発注もしている。公費の私的還流がこの人の真骨頂らしい。

政治家個人に寄付することは、政策買収だから違法だが、政党支部への寄付は構わない。法の抜け道で政党支部の看板さえあげれば金を受け取れる。自民党栃木第二選挙区支部というのが西川氏の看板であるが、これは西川氏の自宅にある。経費として家賃のほか、水光熱費も自分に対して払っている。詐欺商法で問題となった安愚楽牧場からも250万円もらっていたし、なんでもありだ。

金になるなら何でも飛びつくという体質のある西川氏の収支勘定を見てみた。収入は、自民党から1250万円で、これは税金からくる政党助成金である。最大の収入源はパーティーで6700万円を売り上げている。原価は700万円でしかないので、形を変えた寄付だ。寄付そのものも、個人240万円、団体340万円、政治団体200万円があり、全部あわせて9000万円の財力になっている。

これらの寄付がどこから来ているかというと、XX政治連盟という業界圧力団体だ。行政書士、養豚振興、養鶏、酪農などの業界が会員から金を集めて、西川氏に貢いでいる。もちろん、その見返りは業界への多額の補助金である。安倍政権になって養鶏への補助金が急増した。農業関係が多いが、生コン政治協会といった土建屋も入っている。農水大臣という立場を利用しての金集めになる。

会社からの寄付もあり、多くは製糖関係だ。日本の製糖事業は、圧倒的にコストが高く、輸入の3倍もの値段になっている。砂糖の輸入が自由化されれば瞬時に壊滅する業界だ。このコストの格差を関税ではなく、奇妙な形で補償している。TTPで関税が廃止されてもこの仕組みが生き残るように西川氏が努力中なのだろう。砂糖を輸入した業者は、政府の定めた価格で農畜産業振興機構に売り渡し、直ちに国内価格に見合った高い値段で買い戻すことになっている。

これで、国内の砂糖価格をつりあげる。農畜産業振興機構は、この差額で得た金を補助金として業界にばら撒く。さとうきび農家の保護を名目にして業界利権を生み出すわけだ。もちろん、どうばら撒くかは農水大臣が決める。つまり、砂糖業界は、農水大臣の胸先三寸でどうにでもなる業態なのだ。農水大臣への寄付を拒むことはできない。この補助金ばら撒きの1つに、製糖工業会への13億円がある。製糖工業会館からの寄付100万円は補助金の還流になる。

西川氏への個人の寄付というのもあって、5人の名前が出てくる。
片岡益夫というのは、日光ロータリークラブの会長、小曽戸廣というのは、県会議員でこのあたりは、仲間内と言うことだろう。早川孝男は、テクノウッドワークスの社長、奈良部実は、不動産管理業「ならぶ」の社長である。地元の金持ちと結びついていることがわかる。只のお友達ではなく、テクノウッドワークスは農水省から12億円の補助金をもらい、西川氏は国会でも事業擁護の発言をしている。

一番多く金を出しているのは、地元ではない横浜の石田誠一氏で、ファームコンサルティングの社長だ。社長だけではなく、会社としてもいろんな形で西川氏に金を出している。この会社が何をしているかというと、全国各地の多くの自治体に新エネルギーの政策提言をして金をもらっている。税金で報告書を買っているのだ。研究員を4人雇っているだけの会社だ。農水大臣の口ぞえがなければ、成り立たない。

叩けばボロボロ埃が出る。現職の大臣でありながら選挙区で落選するほど人気がない。こういう人物をなぜ、改造安倍内閣で農水大臣に再任したのか?それは、TPP締結のためである。西川氏は、TPP反対を唱えていた。反対の急先鋒であったといっても良い。それが、農水大臣になると、さっさとTPP推進派に変わってしまった。この小物ぶりが気に入られたのだ。暴走安倍内閣は大物を嫌うのである。

「今の農家はつぶれてもいい」とか極端なことも言い出した。山形では、「自民党を敵に廻して農家がやっていけるのか」と脅したりもする。変節漢と言われようとなんだろうと、安倍と既存利権にひたすら忠実な小物、それが今の自民党政治家に求められていることなのだ。
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