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大阪は病んでいる [政治]

先の統一地方選挙で、維新勢力は後退したものの、依然として第一党の地位を保った。大阪都構想などという、市民の生活を貶めるだけの政策を掲げて、腐敗と混迷を続ける維新に、なおかつ投票する人が多い。いまだに橋下に期待している人がいる。漠然とした、何かやってくれそうな雰囲気に頼っているのだ。

大阪は真に病んでいる。どうにもこうにも活路が見出せないのだ。かつては漫才師に期待したこともあった。天下り官僚に期待したこおもあった。全て、期待は裏切られた。にもかかわらず今また、威勢よくしゃべる弁護士に、浅はかな期待を持っているのだ。

大阪は、かつて天下の台所と呼ばれた。政治の中心は京都であったり、東京であったりしあたが、経済は大阪で持っていた。製薬といえば道修町だったし、住友、三菱といった財閥の本拠は大阪にあった。一時は大阪を首都にする案もあったほどで、造幣局は大阪に作られた。朝日・毎日といったマスコミでさえ大阪を本拠にしていた。

ところが、明治の中央集権化が進んで行くとともに、こういった大会社が東京へと移転しだした。政商たる三菱が最初に東京に移り、各社も、だんだんと東京に本社を置くようになっていった。といっても、大阪はやはり商都として大きな存在であり、東京・大阪という二大都市の体制は戦後まで続いた。東京と大阪の両方に本社を置いている会社がかなりあった。東日本と西日本をそれぞれ、統括するといった体制だ。

経済は、もともと民の営みであった。政治や官僚の支配を跳ね返すものであった。しかし、あまりに安定した政権が長く続くと、中央の意向が、あまねく隅々まで行き渡るようになる。中央と結びつくことこそが商売の秘訣になってしまう。戦後、自民党による実質上の一党独裁が固まっていく中で、経済はますます政治に組み込まれて行き、東京への一極集中が進んで行った。

新幹線が出来て日帰りで往復出来るようになったし、通信が発達して瞬時に情報が伝わるようになった。もはや東京と大阪の両方に拠点を置く必然性がなくなったしまった。むしろ、東京から遠い福岡や札幌に拠点を持ったほうが都合が良い。東京に本社、札幌、福岡に支社といった体制が多くなってしまった。相対的に大阪の地盤低下が起こった。これが、大阪人を困惑させた。どうしたら、かつての隆盛を取り戻せるか?その答えはなかなか難しい。

橋下がやっていることは、東京の真似をすることだ。東京のように「都」にすれば、良くなるという浅はかな考えでしかない。石原と結んでみたり、安倍政権に愁派を送ったり、もう最初から東京に対抗するという気迫がない。東京に対するコンプレックス丸出しである。

根本的には、中央集権体制を打破するしかない。文科省の指導に従わない大阪独自の文化を育てる。日の丸君が代などで東京をあがめるなどはもってのほかだ。厚労省の指示に従わない大阪独自の医療システムをつくる。政府に従わず、大阪では原発を止めるし、消費税は取らない。財源はもちろん、大阪では防衛費に金を出さないことで作る。いずれも、現行制度では不可能なものばかりだが、自治権を拡大して行くしか大阪を立て直す道はない。東京の猿真似はやめるべきだ。
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