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これからの日本はどうなるか(2016年) [経済]

歴史の大きな流れを見てみよう。世界各国はそれぞれ独自の道を歩んでいた。大航海時代に世界がつながった結果、先進国が後進国を収奪して資源を手に入れる時代となり、国家間格差が広がった。しかし、交通・通信がさらに発達すると、今度は安い労働力を求めて生産が拡散するようになった。現在も世界には大きな国家間格差があるが、あきらかにそれは縮まる方向にある。

日本は、いち早く西洋文明を取り入れ、アジアにあって先進国の仲間入りをした。先進国をまねて周辺諸国を侵略することもした。軍事侵略は第二次世界大戦で破綻したが、一転、軍事費を使わず、一切を経済に集中することで復興を遂げた。一時は、アメリカに次ぐ世界第二位の経済大国にもなった。

しかし、均一化に向かう、世界の趨勢は変えようがない。発展途上国は、次々と離陸し始めた。韓国・台湾が飛躍的に生産力を高めたし、中国の発展は目覚しい。今や、アジアの経済は中国が中心になりつつあり、日本の経済力を大幅に上回るようになった。インターネットは情報面での拡散・均一化を飛躍的に加速することになった。

人口30億のアジアの一角にある高々1億の人口を占める国であることが否めなくなる。「小さいが、独自性をもった心豊かな国」を目指すのが当然なのだが、現在の政府の対応は、大国であろうとする悪あがきに終始している。中国を上回る経済力を持とうとしたり、アメリカと組んで軍事的に中国を封じ込めようとしたり、無理筋な道をたどっている。

これから起こることは、こういった無理が破綻していくことだ。なんとしても企業活動を盛り立てようと、企業減税して消費税を増やす。軍事費を増やして福祉を圧迫する。低賃金労働を増やして企業利益を確保しようとする。こういったことは、当然国民全体の疲弊を招く。これから起こることは疲弊の顕在化である。

現在、多少ある好況感は株高に支えられているが、これは長く続かないだろう。数年毎の周期は避けることができない。2013年から始まった株高も今年からは、下降期に入るだろう。アメリカは、金融を引き締めもどし、不況に対する打つ手を確保しようとしているが、日本は金融緩和の効果さえ現れておらず、それが出来ない。金利はゼロ状態だし、国債残高も上限を超えている。打つ手がなく不況に陥った時の反動は大きい。今の株高は、日銀による株価吊り上げによるなど、人為的に支えられた部分が大きいからだ。2016年はその転機になる年だ。

アベノミックスの金融緩和でマネタリーベースは、336兆円にもなったが、このうち貨幣として流通しているのは5兆円に過ぎないという異常な事態だ。日銀の当座預金残高が250兆円である。不況で銀行資金が不足すれば、当座預金の引き出しで自動的に通貨の乱発行と同じことになり、経済は崩壊する。労働運動が壊滅して、企業収益が賃金に反映されないという構造が、結局は命取りになる。

長期的にみれば、技術開発に頼るしかないが、この分野の疲弊が激しい。長年の無策の結果が響いてくる。出口が見えないまま模索することになる。政治の転換が必須だが、国民世論の受け皿がない。政治的にも模索が続くことになる。大きな揺れのなかで、極端な右翼の進出などが起こる一方、新しい動きも出てくる。何が起こるかわからないが、今年の動きとしては、きっかけが生まれるだけで終わるかもしれない。

世界的にはイスラム諸国での葛藤が続くが、事態が大きく拡大することはない。宗教やテロはもはや一時的な現象に過ぎず、世界の流れを変えることはない。テロが世界の脅威にはなりえない。しかし、「テロとの戦い」を口実にした大国の世界支配を高めようとする動きは増していく。安倍内閣は、専らこうした政治的な流れに乗って、「大国」にしがみつこうとするが、足元が崩れて行く事は避けられないだろう。

世界の歴史は進んでいく。
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