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慰安婦少女像撤去の考え違い [政治]

韓国で釜山の日本領事館前に建てられた慰安婦像を安倍政権が問題にしている。先のパククネとの合意で慰安婦問題は最終的に解決したはずだから撤去せよという主張だ。しかし、公表された合意事項に少女像のことは書いてない。根拠なく執拗に撤去を要求しているのは、おそらく、公表されていない裏合意事項に銅像の撤去があたのだろう。

今回も日本は金を出してはいるが、韓国はもはやこの程度の金で動く貧乏国ではない。「竹島のことは黙るから、銅像は撤去しろ」という秘密の合意があったに違いない。あの会談以降、安倍政権の竹島に関する動きが抑えられている。もちろん、日韓の連携を取れというアメリカからの圧力も大きかっただろう。

日本も秘密保護法を作って、国民に隠れた外交を展開する用意は出来ていた。しかし、日韓で裏合意があったとすれば、やはりそれは両国の国民を欺くものである。韓国ではパククネの弾劾が行われているから、秘密の合意が暴露されることが起こるかもしれない。そうなれば、韓国世論は沸騰し、安倍の秘密工作がばれることになる。

そもそも、像の撤去などということにこだわるのがおかしい。これが韓国政府が作ったものであれば、議論の対象になるだろうが、そではなく、民間が作ったものだ。女の子が慰安婦にされたことは、韓国の人たちにとって痛恨の事実だ。忘れろというほうが無理だ。それを政府がどう取り上げるかについては、あるいは政府間で交渉できても、国民の気持ちまで政府は制御できない。

日本でも、サンフランシスコ条約で、第二次世界大戦は決着したのだから、広島の原爆は忘れろと言われても無理だ。アメリカは原爆投下を原罪として抱えて行くべきだし、日本も先の大戦で多くのアジア人を殺したこと、慰安婦として多くの女性を辱めてしまったことを原罪として抱えて行かなくてはならない。

謝罪と屈服は違う。過去の過ちまで否定しなければ、現在を主張できないという考えがおかしい。人類も国家も様々な過ちを犯してきた。それを真摯に反省してこそ現在があり、未来を主張できるのである。

見せかけの謝罪だけを表明して、政府間の取引でなかったことにしてしまおうという発想がさもしい。心は金で買えるものではない。そういった人間としての基本的な認識を持たないところが、安倍政権の本当の恐ろしさかも知れない。
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