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ガンはなぜ治るのか?(2) [医療]

以前の記事でガンはなぜ治るのかという議論をした。ガン細胞の増殖は最初の勢いを徐々に失って行くという考え方だ。こう考えるとガンは発生から目に見えるようになるまで急速に大きくなり、それ以後の増殖速度が観察と一致するようになる。中には増殖が止まってしまい、細胞の寿命で消えていくガンも出てくる。これが「ガンが治った」というケースになるし、「がんもどき」も、こういったものだ。

この「活性減衰仮説」とでも言うべきものが正しければ、抗がん剤などによる延命処置も、体力さえあれば長寿命につながる可能性がある。ガンのほうが弱まってくるからだ。慢性骨髄性白血病などでは、すでに抗がん剤を止めてもガンが復活しない事例が多く蓄積されている。

これをもう少し定量的に裏付けることは出来ないだろうかと考えていたら、国立がんセンターが、ガンの生存率データを公表した。ガンになった場合、どれだけ生存率があるのかということを10年に渡って示したものだ。

ガンが救われないものであるとしたら、生存率は、ある時定数で下がって行く。ガンの活性が減衰するものならば時定数が次第に大きくなって行く。

[生存率]=Exp[-t/([初期余命]+[余命延長率]×t)

といった式であらわされることになるだろう。これが国立がんセンターの統計とどれくらい一致するだろうかを試してみたのが下のグラフだ。縦軸が生存率、横軸は年数である。黒い点がデータ、赤い線が仮説にもとづく式だ。パラメータは2つだけなのだが、すべてのガンについて驚くほど良く一致することがわかる。
cancer1.jpg cancer2.jpg

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