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森友(アベ友)学園疑惑は誰の仕業かーー土地はタダ [政治と金]

「安倍首相頑張れ、安保法制よかったです」などと幼児に叫ばせる常軌を逸する教育が、全国でわずか11人しかいない「文部科学大臣優秀教員」の3人に選ばれて表彰されていると言う事態に驚く。安倍政権による支配が隅々にまで浸透し、安倍に追従しさえすれば何でも許されるという世の中になってきているのだろうか。

森友学園がは鑑定価格9億5600万円の国有地を1億3400万円で購入した。しかも、その前年に国は1億3176万円をゴミ除去費用として支払っている。国は大阪駅から30分の一等地2700坪を差し引き200万円で売ったというからあきれる。しかも、学園の要求で購入価格を非公開にするといった便宜まで図っていた。

ここまで来ると、誰が考えても何らかの政治的圧力が働いたと考えるほかない。共産党の小池晃議員の追及で、学園を経営する籠池理事長が政治家に対する露骨な工作記録が暴露された。小池氏がこのソースを明らかにしなかったのは、工作をしたけれども断られたと書いてあってソースの追及に意味がなかったからだ。

このソースが鴻池祥肇参院平和安全法制特別委員会委員長であったことは鴻池氏自身によって明らかにされた。疑惑の目が向けられることが必至だったから先手を打ったのだ。ソースの記録に断ったことが書かれていたので強気で、札束と思しき紙袋を「無礼者と投げ返した」と言っているが、森友学園側はそんな事実はないと否定している。それとは別に、学園側からの政治献金は受け取っているし、25回も接触はしている。他への工作もあったに違いない。これを少し検証してみよう。

鴻池議員への工作は2014年4月だが、森友学園と国の契約は2015年5月に月額227万5千円の借地として締結されている。鴻池議員が口利きをして値下げさせたのは明らかだが、この時点では、相場よりもかなり安いが、まだ法外と言うほどではない。しかし、買い取りでなく購入オプション付きの借地としたのは異常だ。借地としたのは土地を買い取るだけの資金がなかったからだが、40人ばかりの生徒で開校して毎月227万5千円の借地料を払って経営が成り立つかという疑問は当然出てくる。10年以内に「時価」で購入する付帯契約付きだから、さらに金がかかる。購入資金は寄付を予定しているということで押し切り、2016年開校を一応承認させた。何らかの政治力が働いた結果だろう。

小学校経営というのは商売としてやるものではない。一種の社会事業で、潤沢な資金があって初めて成り立つべきものだ。少なくとも建設資金が借金であってはならないのは当然のことだ。借金が返せるということは儲かるということだ。借金で小学校を開校するなどと言うことは認められていなかったのだが、特別に許可したのは松井知事だ。籠池氏は大阪日本会議の役員で私学審議会の委員長にもつながりがある。

借金がありながら認可という手段を使ったとしても、資金繰りに関して何らかの手を打たなければならない状態だったことは確かだ。このころから森友トリックとも言うべき奇妙な動きに拍車がかかった。6月に国交省の「サステイナブル建築物先導事業(木造先導型)」というのが始まり、森友学園が応募した。7件のうち6件が採択されるという結果だから、補助金が取れるということも最初から目算に入っていたかもしれない。ニセの契約書を使うという姑息なことまでしている。これで6194万4千円の補助金を手に入れた。大阪府も「実感できるみどりづくり事業」として、開校も決まっていないのに648万円の補助金を決定していた。

補助金をもらうことが決定した前日の9月3日、午後2時17分から27分まで、土地の持ち主である財務省の迫田英典理財局長が岡本薫明官房長と共に官邸に入っている。何のためだったのだろうか。共産党宮本岳志衆院議員の調べでは、4日の午前10時から12時まで、近畿財務局9階の会議室で森友学園側との交渉があった。もう契約済で工事も始まっているのに何を交渉したのだろうか。おそらく、埋設ゴミの処理方法だろう。これが、タダどりにつながって行く。

安倍首相自身もこの日の午後、テレビ出演で国会をさぼって大阪入りして、森友学園と接触した可能性がある。翌5日に明恵夫人が名誉校長に就任した。就任の経過も、父兄の前でいきなり紹介されて断れなかったという首相と、事前に了解してもらっていたとする学園側では食い違っている。国会答弁で安倍首相は、昭惠夫人が関係しても自分は森友学園とは何の関係もないと豪語したが、昭惠さんが「主人に前々から塚本園長(籠池理事長)から主人にお手紙や電話を頂いたり、実際にもお会いいただいたりしていました」と暴露してしまった。籠池自身も「安倍総理には当園に足を運んでいただいたこともあり」と書いてしまっている。

契約から半年、10月16日には汚染物質の処理が終わったと報告したがこれは建設作業の一部として行われている。2016年4月開校が借地の条件なので工事は急ピッチで進められたからゴミ処理との分離ができない。貸借だからゴミ撤去費用は持ち主である国の負担となる。工事の内1億3176万円がゴミ処理分だとしてこれを国に請求した。ゴミ撤去工事完了ということで土壌汚染対策法から外れて、自由に使える「きれいな土地」になった。ゴミの最終処理をせず、埋め戻したりしているから、この金額もおそらく実際には使っていない。

2016年開校は名目に過ぎない。早くに延期を申請しており、3月10日になって開校を1年先送りすることが認められた。2017年開校ならゴミ撤去と建設を同時進行させることもなかったはずだ。その翌日、森友学園側は、「想定以上のゴミがある」と言いだした。3月半ば、籠池は財務省で田村嘉啓・国有財産審理室長と面談もしている。財務省は14日に大阪航空局に撤去費用の見積もりを依頼している。このあたりの筋書きは9月4日に合意ができていたはずだ。

購入資金がなく貸借を希望していたはずの森友学園が3月24日には購入への切り替えを要求した。安く買う手立てが確立していたことを意味する。ゴミ処理費用を高く見積もって金額から差し引き、実際にはごみ処理をせずに済ます手口だ。大阪航空局から高額の費用見積もりが出るとはわかっていたのだろう。もちろん、この見積もりには政治家の関与があるはずだ。記録は破棄されたと隠ぺいに懸命だが、まともに聞き取り調査をやれば、隠しおおせるものではない。

3月30日に国は森友学園の要求を受け入れて、にゴミ撤去費用の1億3176万円を支払っている。まだ借料は1年分、2730万円しか払っていないし、購入なら国が撤去費用を負担することはないのだが、工事の時点では借地だったという理屈だ。ここまでの収支勘定は、森友学園が国から補助金と合わせて結局1億6640万円をもらったことになる。

3月30日が工事完了期限だったのだが、それは延期された。4月14日に大阪航空局からゴミ撤去費用を8億1900万円とした見積もりがでた。5月31日、不動産鑑定士が9億5600万円と査定したが、撤去費用を減額して1億3400万円になる。この決定を6月20日にやり、即日森友学園の所有に登記している。かなり計画的な進行である。このあたりの手口を指南したのは顧問弁護士で、それが稲田朋美の夫、稲田龍示だから語るに落ちる。早い目に表彰の取り消しなどを口にしたのは、多分3重契約書などのヤバイ情報が夫から入ったからだろう。

国に対して負債があり、抵当権が設定されているが、10年の分割払いだから、年1340万円になる。これまで払うことになっていた年2700万円を半分にまけてやって、しかも土地は森友学園に渡すことになったのだ。その上、この支払に充てる金はもう国からもらってある。結果としての収支勘定は、土地をタダで手に入れ、その上3240万円をもらうことになる。単に安く買ったというどころの話ではない。

会計検査院が調査すると言うが、ゴミが埋設されていると言うのは事実であり、8億が6億に修正されるくらいのことだ。不適当という指摘があったとしても、すでに登記されたものは動かない。この土地は、国の金でやった撤去作業で、一応法規制を外されて使える土地になっているのだ。開校してしまえば8億1900万円をかけてゴミ撤去工事などできるはずもない。

おそらく2017年4月の開校は認められないだろう。しかし、8億1900万円をかけてゴミを撤去するまで開校を認めないという決定をしなければ、多少遅れても思惑通りに事は運ぶことになる。この事件は幕引きも含めて全体が周到に準備されたものだということがわかる。

森友学園の契約は異例づくめだ。少子化で小学校の廃校が続いている中で、負債があっても開校できると松井知事が基準を変えたのが異例だし、購入を前提にした借地契約というのも異例だ。ゴミ撤去費用を航空局が算定すると言うのも異例、随意契約で価格非公開と言うのも異例。個々の官僚が議員に働き掛けられて便宜を図ったと言った程度ものではない。

現在までで関与が明らかなのは、鴻池と松井、稲田だが、山谷えり子、平沼赳夫、中山 成彬、田母神俊雄、西村 眞悟については籠池理事長がつながりを誇示しており、声をかけなかったはずがない。重要なのは全体としての筋書きがコーディネートされていることだ。これらの議員に指図できるのは安倍首相本人以外にない。会計検査院の調査を待つと言うこと自体が策略であり、それを言っているのが安倍である。だから、安倍首相本人の仕業で間違いないだろう。

森友学園と同じような右翼学校設立に公の金をくれてやるといった事態があちこちで生まれている。これも安倍が憲法改悪を目指してめぐらす策謀の一つなのである。籠池は教育勅語の信奉者だ。教育勅語にはいろんな徳目が並べられているが、「嘘をつくな」とは書いてない。詐欺師に都合よくできている。




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