ビジネス起業研究---利益はどこからくるか [起業]
このところ、ビジネス起業研究を続けて書いている。起業は不可能だという結論になったのだが、それでは実際の企業はどのようになっているのかが気になった。つぶれていない企業のデータは会社四季報に公表されている。適当に商社を見てみると
ということで、意外にそろっている。四季報に載っているのは良否いろいろあっても、ともかくつぶれていない会社だ。商社はやはり年間一人1億3千万円くらいを売り上げなくてはならないことがわかる。僕が考えた1億5千万円より少し少ない。だから給料は平均566万円しか払えていない。
製造業になると
ということで、一人当たり3300万円の売り上げが必要である。これも僕が考えた5000万円よりも少ない。だから平均給与も595万円でしかない。ともあれ、これで大体の目安がついた。物作りなら3300万、売るだけなら1億3000万円。これだけの売り上げが見込めないものはビジネスではない。例えば八百屋を開店するなら、絶対に一日40万円の売り上げが必要である。ほとんどの八百屋が「成り立っていない」だろう。物作りも厳しい。手作りのバイオリン一台20万円で売っても、2日で1台作って売りさばく必要がある。まあ、不可能だろう。
これらの「成り立っている」会社にしても、実は内容はきびしい。一人あたり年間3300万円の製品を作り、売りさばかなくてはならない。これらの企業ではなんとかそれを実行しているのだからえらいものだ。しかし、これを一人会社に当てはめると、結局社長の収入は超人的努力をして年収595万円ということになる。これではとても成功とはいえない。
実際の会社では、平均595万円に格差を勝手に導入する。それが社長の権限だ。500人の社員の給料を5万円づつ減らせば、社長の収入は3000万円にできる。つまり社長の収入というのは、製品のアイデアからきているのではなく、他の社員からくすねることからきているに過ぎないのだ。実情調査でも思弁的推論と同じ結論が出てしまった。
社員数 | 平均年収 | 人件費率 | 売り上げ | 一人当たり | |
田中商事 | 394 | 451 | 9.5 | 18,710 | 4749 |
ヤマトマテリアル | 70 | 683 | 4.2 | 11,450 | 16357 |
ぴーしーでぽ | 408 | 421 | 4.1 | 41,942 | 10280 |
杉本商事 | 509 | 500 | 7.4 | 34,180 | 6715 |
宮越商事 | 521 | 561 | 13.3 | 22,000 | 4223 |
三谷商事 | 2,151 | 711 | 4.3 | 354,000 | 16457 |
佐藤商事 | 608 | 670 | 2.4 | 168,000 | 27632 |
日新商事 | 425 | 529 | 3.0 | 74,000 | 17412 |
平均 | 566 | 6.0 | 12978 |
ということで、意外にそろっている。四季報に載っているのは良否いろいろあっても、ともかくつぶれていない会社だ。商社はやはり年間一人1億3千万円くらいを売り上げなくてはならないことがわかる。僕が考えた1億5千万円より少し少ない。だから給料は平均566万円しか払えていない。
製造業になると
社員数 | 平均年収 | 人件費率 | 売り上げ | 一人当たり | |
大平工業 | 6,607 | 566 | 24.6 | 152,000 | 2301 |
田辺工業 | 830 | 555 | 17.4 | 26,500 | 3193 |
大盛工業 | 56 | 634 | 11.5 | 3,100 | 5536 |
助川電気工業 | 221 | 552 | 27.3 | 4,470 | 2023 |
テルモ | 13,187 | 701 | 30.8 | 300,000 | 2275 |
フォトニクス | 38 | 548 | 15.0 | 1,390 | 3658 |
東京計器 | 1,408 | 655 | 20.6 | 44,750 | 3178 |
東京精密 | 1,290 | 846 | 24.0 | 45,500 | 3527 |
エルモ社 | 468 | 298 | 7.5 | 18,500 | 3953 |
平均 | 595 | 20 | 3294 |
ということで、一人当たり3300万円の売り上げが必要である。これも僕が考えた5000万円よりも少ない。だから平均給与も595万円でしかない。ともあれ、これで大体の目安がついた。物作りなら3300万、売るだけなら1億3000万円。これだけの売り上げが見込めないものはビジネスではない。例えば八百屋を開店するなら、絶対に一日40万円の売り上げが必要である。ほとんどの八百屋が「成り立っていない」だろう。物作りも厳しい。手作りのバイオリン一台20万円で売っても、2日で1台作って売りさばく必要がある。まあ、不可能だろう。
これらの「成り立っている」会社にしても、実は内容はきびしい。一人あたり年間3300万円の製品を作り、売りさばかなくてはならない。これらの企業ではなんとかそれを実行しているのだからえらいものだ。しかし、これを一人会社に当てはめると、結局社長の収入は超人的努力をして年収595万円ということになる。これではとても成功とはいえない。
実際の会社では、平均595万円に格差を勝手に導入する。それが社長の権限だ。500人の社員の給料を5万円づつ減らせば、社長の収入は3000万円にできる。つまり社長の収入というのは、製品のアイデアからきているのではなく、他の社員からくすねることからきているに過ぎないのだ。実情調査でも思弁的推論と同じ結論が出てしまった。
2009-03-16 21:21
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