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橋下政治の新しさの古さ [政治]

橋下大阪市長の政治手法に共感する人がかなりいる。確かに、橋下氏の手法は従来の保守政治家のイメージを一新するものではあった。従来の保守政治家のイメージと言えば、一言で言えば「おっさん」である。演説は原稿の捧読み、料亭工作に明け暮れ、ダブルの背広を着込んではいるが、土建屋丸出しの品性の無さが定番であった。

若々しく、弁舌が巧みで、茶髪などの外見もこういったステレオタイプとは、かけ離れたものだったし、物事を決める果敢な決断力は相当なものだと受け止められた。政策的にも「大阪都」などと目新しいことを掲げるし、何かやってくれそうな期待が高まったのもうなずける。

しかし、結局知事として市長として何をやったのだろうか?思想調査まがいのことをやって騒ぎを作ったり、給与引き下げたり、文楽や上方芸能の補助を止めたりしたが、結局の所大阪の財政事情は全く改善していない。大阪の人たちには何の恩恵も無かったことになる。考えて見れば当たり前で小役人の給与や文楽補助金など小さなものだ。大所である公共事業を増やしているのだから財政の改善など出来るはずも無い。

大阪都にしても、区役所に東京23区並みの機能を持たせればそれだけ費用はかさむ、道州制などというものはさらに積み重ねが大きな3重行政でしかない。地方交付税を無くして、消費税を地方財源にするなどは、とんでもない消費税の増税になる。こんなことで地方が活性化するわけがないだろう。

年寄りは恵まれ過ぎており、世代間格差を無くすために年金を切り下げるなどと言うのもおかしい。今制度を変えるとして、年金切り下げの影響を本格的に受けるのは今の若い人たちが年を取った時だ。ますます世代間格差は広がることになる。

意表をつくようなアイデアも見せたかに見える。貧しい家庭の子に塾の補助金を出すというのもその一つだ。新しい感覚とも見えたが、これは実際に実行して、失敗だったという。1万円の塾代バウチャー位で塾通いが続けられるはずもなく、応募者が少なかった。生活が大変な家では塾通いどころではないという現実が橋下氏には見えなかったのだ。橋下氏の新しい感覚は偽者だった。

橋下氏の新しさは機能しない。つまらない話だが不倫報道を見て納得できたような気がする。橋下氏は結局のところ「浮気は男の甲斐性」と考える古い思想の持ち主だったと言うことだ。ホステスとの不倫もこれ一つだけではないだろう。新しいのは外見だけで、実は典型的な保守政治家の「おっさん」だったわけだ。

維新の会の船中八策はきっちりと文章化されていない。あくまでも骨子であいまいな所が多い。「使いきり」を強調するが相続税の増税とは言わない。内需拡大で消費した分には課税しないといいながら、消費税を増やすのも矛盾だ。

自立を強調し、弱いものへの配慮を拒否する割には、負の所得税などといった所得の再配分が入っている。このあたりの矛盾する公約は、反原発と同じ単なる見せかけなのではないだろうか。当初、反原発を言っていて、結局は大飯原発の再稼動を容認した経過からもこれは当然推測される。政治資金についても次第に後退している。パーティー券の大量買い込みで利権会社から金をもらいだした。結局のところ橋下氏はおっさんであり、古い保守政治家と同じ弱者切り捨ての発想がこのおっさんの本音だろう。


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