SSブログ

無制限金融緩和でいよいよ沈没 [政治]

安倍氏が「無制限金融緩和」などと言い出している。いよいよこれで経済日本も終末に近づく。

長引く不況の原因が円高にあり、通貨を乱発すれば円安を導けるという理屈なのだがこれは間違っている。円安になれば原料もエネルギーも日本円では値上がりすることを忘れているのだろうか。円高は不良経済構造の結果なのであって決して単独の不況要因ではない。円高補正だけをやっても価格は連動するだけで経済回復にはならない。

古典的には金融緩和が投資を促し、生産を高めるという効果があるが、これは再三にわたる金融緩和ですでにお試し済みであり、全く効果がなくなってきている。日銀が銀行にほとんど無利子で貸し出し、銀行が企業に低金利で資金を提供する。しかし、企業はその金を何に投資するのか? この経済状況の中で何を作ったら儲かると言うのか? 何を作っても売れないことが最大の問題なのだ。

金は天下の回りもの。経済が進展するためには生産と消費のバランスが大切だ。ところが日本は生産ばかりを進めて、消費を抑制してきた。リストラで低賃金にすれば当然消費は減る。消費税を増やせば当然消費は鈍る。国内消費がないので輸出頼みになって行ったが、当然輸出超過になると円高が起こる。これを補うように食料輸入を増やしてきた。これは農業をつぶすことで達成できる。

しかし、今や農業もこれ以上衰退できなくなり、輸入が停滞してしまった。激しい円高になったのも当然である。最近になって輸出が陰りを見せてやっと安定してきたが、これは多くの企業が赤字になる水準だ。多くの企業が生産コストを下げることに必死になっているが、総体でみればこれはさらに内需を抑制することに他ならない。内需を喚起しなければ経済の回復は望めない。

どうすれば内需を喚起できるか? それは、生産と消費で金が回るようにすればよい。大企業の内部留保や金持ちの蓄財など溜め込まれている資金を循環に放出すれば良いことは誰でもわかる。賃金を底上げして内部留保を吐き出させる。高額所得や蓄財に課税して吐き出させる。この資金を使って消費税は廃止する。金を貯めない低所得者に手当てして消費させる。----これが今、経済に必要なことだ。

こういった手当てをせずに底なしの金融緩和をやればどうなるか?まともな設備投資が行われることはあり得ない。儲かっている企業は内部留保が山積しており、借金の必要は毛頭ない。おそらく、資金の多くは投機筋に流れることだろう。株はバブルとなって上がるかもしれないが生産や雇用には結びつかない。ヘッジファンドが金融を支配し、あちこちに株長者が出現し、まじめに働く人たちは、買占めによる値上げの餌食になる。中でも石油の買占めは深刻な問題になるだろう。

日本沈没の新たな段階の幕が開く。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。