SSブログ

ネットの匿名性とフェースブック [社会]

匿名の郵便物は誰しも怪しむ。しかし、ネット上ではハンドルネームでの書き込みがむしろ普通だ。こういったネットの匿名性が様々な意見を表明する機会を作ったとも言えるが、逆にこの匿名性を利用した悪質な書き込みも広がった。いわゆるネトウヨの下品な書き込みには辟易する人も多い。こういったことから、実名でのコミュニケーションを安全な形で行いたいという要求が高まり、SNSが始まった。この中でもfacebookがその使いやすさから人気を集めている。

友達の輪を広げる機能があるから、当然多く普及する。facebokはweb pageの一種ではあるが、それがどのように見えるかを書き手が完全にコントロールすることができないと言う特徴があり、それが「友達の輪を広げる」という機能を果たすと同時にいくつかの問題を引き起こす。

実名で登録しなければいけないし、一度書けば、その内容を訂正することも出来ない。自分の書いた記事が、別人のfacebookに自動的に現われたりする。それどころではない。自分が他人のfacebookにコメントしたり、「いいね」と共感したことが、たちまちのうちに他の友達にも伝わってしまうのだ。

プライバシーに関しては、一応「友達」を設定し、友達以外に見えないようにすることもできるが、これも複雑で友達の友達経由で写真などが見えることがある。最大の問題は友達が一色であることだ。誰だって会社の得意先友達と、同級生友達は違う。しかし、facebookでは一様に「友達」としかならない。

同級生を相手に給料が安いだとかサービス残業させる部長の性格が悪いだとか書いていて、部長に「俺もfacebook始めた」と言われて友達要求が来たら困ってしまう。だから、facebookには、あたりさわりのないことしか書けない。どのfacebookを見ても、良いことしか書いてない。facebookは必然的に幸せな自分を自慢する記事のオンパレードになる。

本当によく知っている友達から見れば、こういったfacebookの虚飾はそらぞらしい限りだ。facebookは、薄っぺらな交友関係を広げるかわりに、親密な人間関係を損なう。facebookが普及してきて、営業用にも使えることになり、中には社員にfacebookを開けと指示する会社もある。これは一種のハラストメントではないかと思える。

自分のプライバシーを会社に捧げ、心から満足して会社に尽くしている自分を演出しなければならない。自分のfacebookに配置された友達の発言でも、友達が多い場合には、勝手にプライオリティーが設定され、どの友達の発言を見せるかは、勝手に決められてしまっている。facebookの作り出す世界は、現実の社会とは関わりなく、幸せ者の集まりになってしまう傾向があることに気をつける必要がある。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。