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自民党の圧勝ではない ----- 2014衆院選 [政治]

衆議院選挙が終わり、マスコミはどこも自民圧勝を報じている。しかし、結果の数字を見ると、新聞の見出しとは、大きく印象が異なる。安倍首相は、選挙明けの16日夜、西新橋・しまだ鮨で時事・朝日・毎日・読売・日経・、NHK・日テレの論説委員たちを招いて会食している。マスコミ操作の結果だろう。

自民党は293から290へと3議席減らしたのだから「圧勝」のはずがないだろう。民主党政権を倒した前回の選挙より、支持を減らしているのだ。得票率は、3回続けて低下している。逆に、民主党は11議席増やしたのだから、野田内閣の失政から立ち直ってきてはいるのだ。これが、どうして「敗戦」なのか。議席を増やしたのに代表が交代しなければならないというのも、わけがわからない。

維新は記者会見を開いて「完敗」と言ったが、1議席減らしただけである。共産党の躍進は、確かにそのとおりで、これは事実と合っている。しかし、他の野党が沈没した結果として、どういう政策に支持が集まったかについての分析は報道されない。前述したように、民主にしろ維新にしろ、他の野党が沈没したわけではないのだ。

今回の選挙で、一番大きな変化があったのは、次世代で、これは、田母神も石原も落選して、議席1/9に激減して、まさに一挙壊滅したといえるから「振るわず」どころではない。次世代は原発賛成、改憲賛成、秘密保護法賛成で、自民党と同じ主張をもっと露骨に表現した党だ。この次世代の壊滅こついては、不思議なことに、大きく取り上げられることがない。

次世代の壊滅と自民党の減少をあわせれば、安倍政権のやって来た施策が評価を下げたことが明らかになったというのが選挙の結果と言わざるを得ない。これに真っ向から反対していた共産党が躍進したこととも符合する。新聞の見出しは、あきらかにおかしい。

自民・維新が微減に終わったこと、公明が3議席増やしたことは、まだ多くの人たちは他に頼むべき政治を見出せず、アベノミックスに期待をつないでいると言うことだろう。行き先は不安だから、暴走はしてもらいたくない。だから、次世代のような極端な右翼は嫌われたのである。維新も極端な右翼なのだが、結いの党の9人を吸収して、原発に若干の反対色を加えたり、官僚の無駄使いを是正するようなことを表に出して、イメージを弱めているから微減ですんだのだ。

原発反対、秘密保護法反対、護憲ということでは、共産党が躍進しただけでなく、社民も2議席を守ったのだから、支持を増やしたことになる。

それにしても、小選挙区制というのはひどい制度だ。得票率48%の自民党が議席の76%を取る。とりわけおかしいのは、重複立候補という制度だ。沖縄の小選挙区では、辺野古基地賛成を叫んだ自民党候補は全員落選して県民の審判が下されたわけだが、その落選議員全員が比例で復活して、のうのうと国会の議席を占める。自民党の全ての小選挙区候補が結果的に比例で繰り上げ当選した。選挙前から、当選が決まっていたと言っても良い。これでは選挙をやる意味がない。

まともな議員人材を確保するためにも、小選挙区と比例の重複立候補の制度はやめるべきだろう。世論と議席の乖離がどんどん広がる選挙制度は、なんとかしなければ未来がなくなる。


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