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生活保護は年金より良いのか [政治]

当然のことながら若いときには年金などに関心はなかった。引退すれば給料が半分になるだろうと考えていたが現実はそんな甘いものではない。定年は強制的なもので引退というより、年令による差別解雇というほうがふさわしい。

年金額の通知が来て愕然とした。確かに、出世など考えずに好きなように仕事をしてきたが、これでも学歴とかの話をすれば一応エリートに見えるだろうし、真面目に働いてきたつもりはある。税込み20万円はいかにも少ない。外国暮らしがあったので妻は25年に足らず無年金。僕は重度ではないが障害者手帳を持っている。試みに夫婦2人の生活保護金額を計算してみたら東京の障害者の場合18万円であった。障害者は自炊しにくいなどの点を考慮して多少上積みされる。36年間の努力がたったの2万円差ではあまりにも情けない。

こういうことから、ネットでは生活保護費が高すぎるという意見が目立つが、朝パン一個、昼ラーメン、夜コンビニ弁当で既に一日1000円、夫婦2人の食費は6万円になる。東京だから家賃が8万円水光熱が2万円とすれば衣類その他は一人1万円だから本当にこれは最低限度の生活でしかない。生活保護費が高いのではなく年金が少なすぎるのだ。

生活保護への批判は若い人からが多いようだが、単なる煽りに過ぎない。東京都の最低賃金である時給821円で夫婦が働けば一ヶ月33万円にもなり、生活保護どころか、どの年金よりも多い。年金は働く人の最低レベルよりもまだ遥かに少ないということだ。

落ち込みかけたが、よく落ち着いて考えて見て20万円の年金生活は生活保護よりずっとましだと納得した。月2万円の余裕は大きい。さらに退職金を20年で割ればたいしたもので、普段の生活を少し切り詰めれば、毎年海外旅行に出かけことだって出来る。

僕より年金の少ない人もかなりいるはずだ。月18万以下の人もいるが、家があったり、退職金があったりすれば、結局は生活保護より、ずっとましな暮らしができるだろう。ちなみに国民年金だけの場合は2人で15万円。生活保護水準以下だが、自営の人は家を持っていることが多い。家があれば実質は年金20万円相当だし、蓄えがあればそれで随分暮らしがかわる。生活保護は家無し貯金ゼロが要件だから最初から切羽詰った生活となる。

給料と年金は根本的に違うこともわかった。現役時代と異なり、いまさらリストラされたり、体を壊して働けなくなることを考える必要は無い。蓄える必要がないのだ。全部使えばいいお金だから生活保護の最低限との僅かな余裕の差が天と地ほどの大きな違いになる。

だから無年金で蓄えもない人が月18万円で暮らすのはちっとも不公平ではない。もはや努力をするすべもない年令で、何の楽しみもなく、永久に月18万円を家賃と食費に使い、死ぬのを待つだけというのは余りにも哀しいからだ。

年金は生活保護のような制約がない。ちょこっとアルバイトをすることもできるし、スーパーの安売りで節約して旅行することもできる。生活保護と異なり、マイカーを持つことも自由だ。中古なら安い。貧しくとも自分の年金で暮らす人間には、計り知れないくらい大きい工夫次第の余裕が与えられている。
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