福島第一原発の放射能---どこまでが「安全」なのか [原発]
地震による福島原発事故以来、盛んにテレビは「安全だ」を繰り返している。そのくせ避難勧告が出たり、米軍が立ち入りだと逃げ出したり、いったいどれが本当に安全なのかわからなくなっている人も多いだろう。
一口に放射線といっても、その正体は中性子であったり、放射性物質であったり、ガンマ線であったり、様々で中々一まとめにして議論しにくいし、体のどの部分かでも被害はちがう。単位すら多岐にわかれていてわかりにくい。以下に書くことは少し乱暴な一まとめをしているのであくまでも目安だと思って欲しい。
放射線の被害は短期と長期に分かれる。短期被害については大体次のようにまとめられると思う。単位はミリシーベルトで、まあ原発で緊急作業している人も含めて「安全」というのはウソではない。
胸部X線1枚 0.1
原子炉の注水ヘリ 1
原子炉の注水消防車 5
被爆地への物資輸送 10
胃の透視一回 15
X線CT一回 20
ガン発生が確実に増える 200
白血球の減少 250
急性放射線障害 1000
放射線死亡が始まる 2000
半数が放射線死亡する 5000
放射線のもう一つの問題は長期被害だ。こちらの方は実験データも確実なものがないのではっきりとはいえないが、上のガン発生率は線量に比例しており、200mSV以下でも急にはゼロにならないことは想像がつく。放射線は微量であっても浴びないに越した事はない。一方で、放射線は自然にも宇宙線など空から降ってきたりするのだから微量なものを気にするのも現実的ではない。だから放射線作業に当たる人は法律で年間の被爆量をコントロールしなければならないと定められている。これを現実的な安全基準として長期の被害に関しての比較表を作って見ると以下のようになる。単位に「時間当たり」、「年間」という割合が付いていることに注意。
mSV/y μSV/h
この辺りの環境放射線 0.4 0.05
標準的な自然被爆 2.4 0.27
高地での自然被爆 5.0 0.57
50kmでの一般市民 8.8 1.00
研究所での規制値 20.0 2.28
放射線作業従事者 50.0 5.71
30kmでの屋内退避 87.6 10.00
と言うことになる。屋内退避が1年続けばこれはやはり安全とは言えない。しかし、少し離れたところになると慌てて逃げる必要はなく、この先の様子を見ることにするべきだろう。今後の生活とか全体的なことから、他へ移ろうとするのも妨げる理由はない。1号炉や3号炉の爆発は放射線の数値と符合せず、容器が破損していない証拠に見える。この線量の多くは二号炉の破損によるヨウ素、セシウムで、爆発で拡散したあと、ゆっくりと減少しているから無くなるまでにはかなりの時間がかかるからだ。4号炉の使用済み燃料の損傷だと注水でかなり減るだろう。
今回の広報で不信を招いているのは長期被害と短期被害をごちゃ混ぜにして、一回限りのCT検査と24時間晒される屋内退避を単位抜きの数値で比較しているからだ。1年当たりにすれば原子炉に水を掛けるヘリコプターなどの被爆は微々たるもので、21kmでの屋内退避を強いられている人たちのほうがはるかに厳しい状態にある。あくまでも通常の放射線業務の範囲内で作業している自衛隊員を「決死の覚悟」と褒め称える一方で、30km範囲で不安な人々に「安全です」と言うことの矛盾。ダブルスタンダードが混乱の原因だ。
一口に放射線といっても、その正体は中性子であったり、放射性物質であったり、ガンマ線であったり、様々で中々一まとめにして議論しにくいし、体のどの部分かでも被害はちがう。単位すら多岐にわかれていてわかりにくい。以下に書くことは少し乱暴な一まとめをしているのであくまでも目安だと思って欲しい。
放射線の被害は短期と長期に分かれる。短期被害については大体次のようにまとめられると思う。単位はミリシーベルトで、まあ原発で緊急作業している人も含めて「安全」というのはウソではない。
胸部X線1枚 0.1
原子炉の注水ヘリ 1
原子炉の注水消防車 5
被爆地への物資輸送 10
胃の透視一回 15
X線CT一回 20
ガン発生が確実に増える 200
白血球の減少 250
急性放射線障害 1000
放射線死亡が始まる 2000
半数が放射線死亡する 5000
放射線のもう一つの問題は長期被害だ。こちらの方は実験データも確実なものがないのではっきりとはいえないが、上のガン発生率は線量に比例しており、200mSV以下でも急にはゼロにならないことは想像がつく。放射線は微量であっても浴びないに越した事はない。一方で、放射線は自然にも宇宙線など空から降ってきたりするのだから微量なものを気にするのも現実的ではない。だから放射線作業に当たる人は法律で年間の被爆量をコントロールしなければならないと定められている。これを現実的な安全基準として長期の被害に関しての比較表を作って見ると以下のようになる。単位に「時間当たり」、「年間」という割合が付いていることに注意。
mSV/y μSV/h
この辺りの環境放射線 0.4 0.05
標準的な自然被爆 2.4 0.27
高地での自然被爆 5.0 0.57
50kmでの一般市民 8.8 1.00
研究所での規制値 20.0 2.28
放射線作業従事者 50.0 5.71
30kmでの屋内退避 87.6 10.00
と言うことになる。屋内退避が1年続けばこれはやはり安全とは言えない。しかし、少し離れたところになると慌てて逃げる必要はなく、この先の様子を見ることにするべきだろう。今後の生活とか全体的なことから、他へ移ろうとするのも妨げる理由はない。1号炉や3号炉の爆発は放射線の数値と符合せず、容器が破損していない証拠に見える。この線量の多くは二号炉の破損によるヨウ素、セシウムで、爆発で拡散したあと、ゆっくりと減少しているから無くなるまでにはかなりの時間がかかるからだ。4号炉の使用済み燃料の損傷だと注水でかなり減るだろう。
今回の広報で不信を招いているのは長期被害と短期被害をごちゃ混ぜにして、一回限りのCT検査と24時間晒される屋内退避を単位抜きの数値で比較しているからだ。1年当たりにすれば原子炉に水を掛けるヘリコプターなどの被爆は微々たるもので、21kmでの屋内退避を強いられている人たちのほうがはるかに厳しい状態にある。あくまでも通常の放射線業務の範囲内で作業している自衛隊員を「決死の覚悟」と褒め称える一方で、30km範囲で不安な人々に「安全です」と言うことの矛盾。ダブルスタンダードが混乱の原因だ。
2011-03-18 14:33
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