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維新の選挙違反がなぜ多いのか [政治]

衆議院選挙が終わり、今回も悪質な選挙違反がいくつも摘発されている。残念ながら今回も違反事件は多い。中でも維新の買収が突出して多い。買収と言うのは文書などと違って違反としてはかなり悪質なものだ。

選挙に不慣れなために、運動員の統制が取れていなかったというのはウソだろう。なぜなら、これらの候補には、地方選挙を経験しているベテランも多いからだ。いままでもやっていた事を大々的にやってしまっただけだ。

この原因の1つは維新が「愛国者」の集まりであることに起因している。自分たちは「愛国者」であるから、目的のための多少の逸脱は許されるべきだという「思い上がり」である。市民の一人として法を守らねばならないという意識が低い。

橋下氏自身が、現行選挙法で禁止されているツイッターの更新を選挙中も続けた。選挙法がおかしいのは分かるが、選挙が他党との競争である限り他の政党が遠慮していることを自分だけやるのは、あきらかに不公平だと言う事がわからないのだ。

こうした思い上がりは「愛国者」には必然のようだ。2.26事件の青年将校たちは、自分達がテロで人々を恐怖に陥れていることに気が付かなかった。愛国はルールを上回るという意識だ。悪い見本は暴力団で、多くの暴力団組長は右翼で「愛国者」だ。みかじめ料をせしめたり、暴力抗争をしても、「愛国者」は許されるという観念の見本だろう。

これはかなり昔からの伝統で、幕末には天誅組などのテロが横行したし、御用金の強奪も多かった。勤皇の志士たちは、自分は「愛国者」であり特別な存在だとこれを是認したのである。

戦中はもっとひどく、皇軍兵士は、東洋平和のために命を捧げる「愛国者」だから、女の一人や二人犯したところで何の問題もないと考えていた。これが日本軍の戦争犯罪の温床でもあった。

維新には「愛国者」だけでなくもうひとつ選挙違反の根源がある。それは、「強者思想」といえるもので、弱者保護を嫌悪する思想だ。貧乏人は努力が足りないと言ってはばからない。

これは、努力して金持ちになった人間を賛美し、選挙に自分の金を使って何が悪いという発想を持つことにつながる。実は現行選挙法では、ビラもポスターも「公営」以外禁止だから。供託金以外に金を使えないはずだ。しかし、「愛国者」は自分の金を国政改革に使うことに恥じらいがない。

選挙に金を使うとなれば、必然的に、票集めに努力してくれた人に金を渡すのが「常識」になってしまう。維新の人たちには、運動員に金を渡して労をねぎらうことが買収にあたることが、理解できないのではないだろうか。なぜ維新に選挙違反が多いのかは、このように根深い理由があってのことだ。だから今後もなかなかなくならないだろう。

今後はさらに世慣れて、違反をうまく隠す術を身に着けていくだろうが、政治資金も、寄付の禁止から大分後退したし、政党助成金も臆面無く受け取るようだから、維新に清潔さを期待するのはもう無理だろう。


------追記--------------
2013年参議院選挙でもまた買収があった。比例区の上山候補の運動員がビラまきに金を払って逮捕されている。前職のベテラン議員であり、無知から起こったことではない。やはり、維新は思想的に買収選挙指向があるという仮説は正しそうだ。
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