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「公共投資」の末路 [社会]

安倍内閣がまたぞろ「公共投資」を持ち出している。過去50年にわたって行われて来た古い古い経済政策の復活である。国が税金を投じてダムや道路を作り、これで建設業が儲かり、資材を供給する会社や、工事に雇用される人たちにも恩恵が及び、経済が活性化されるという理屈だ。

確かに過去には大きな成果をあげた。アメリカは1930年代の大不況をフーバーダムの建設などで乗り切った。しかし、しかし、こういった景気刺激策はカンフル剤のようなもので、何度も繰り返して使っていると、効き目はだんだんと衰えてくる。

近年では、公共投資に使った資金は、マネーゲームにばかり回って実体経済には効果がまったくと言っても良いほどなくなって来ている。いくら経済を緩和して、ゼロ金利にしても、今時何を作ったら売れると言うのか。ヘッジファンドにを活性化するだけに終る。

それだけではない。公共投資が、経常経費の増大を招くことを忘れてはならない。建物を建てたり、道路を作ったりすれば、それだけ毎年の維持費も増えて行く。維持費が多くなれば、それだけいろんな施策をする経費が減って行く。

高速道路はその典型だ。毎年の予算を確保して、どんどん道路を増やして行った。建設優先なら当然維持費をケチってしまうことになる。笹子トンネルの事故はアンカーボルトの劣化によって起こったが、ボルト自体よりもむしろコンクリートの劣化だろう。

問題は10年以上に渡って、打音試験をしていないことだ。アンカーボルトの劣化は叩けばすぐにわかる。事故後あちこちのトンネルで軒並み不良アンカーが見つかっているように、いとも簡単な検査なのだ。これをもやらないくらいに、維持費をケチっていたということだ。

トンネルだけではない。橋も、ビルも、ダムも公共投資の付けは国の予算を圧迫する。なんでも良いから金を使えと言う時代はとっくに終っているのだ。最悪なのは、経済の活性化に役立たない、意味の無い公共投資で、まさにそれがまた始まろうとしている。
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