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中国艦船レーダーの謎 [政治]

中国の艦船が自衛艦にレーダーを当てたということで騒ぎになっている。これには、いくつかの謎がある。そもそもレーダーを使うのはいまどきの船なら当たり前だ。航行用レーダーではなく標的確定専用レーダーを使ったということだが、自衛隊のAWAX機やイージス艦などは常々ミサイル標的をレーダーで自動算出している。アメリカは人工衛星で常々標的を確認している。軍艦どうしが近づけばそれくらいのことは当然起こる。問題はなぜ両国の艦船がそんな位置で近づいたかと言うことだろう。

一連の報道で、どうもはっきりしないのがこの邂逅が起こった場所だ。「東シナ海の公海」だというのだが、当初の発表では尖閣の北180kmと言っていた。後からはこれを130から110kmと言いなおしている。180kmならかなり中国沿岸に近い。どちらにせよ、日本が主張する中間線ぎりぎりのところだから、中国から見れば十分に領海侵犯の疑いのある場所だ。おまけに、自衛隊は7.62mm機関銃を積んだヘリコプターまで動員して中国艦の至近距離に迫っている。

そんなところに、なんのために自衛艦が行かねばならないのか。挑発でしかないではないか。偶発事故的な戦争などを避けるためには、そういった挑発行動を取らないことが大切だと言うことを忘れてはならない。盧溝橋事件の二の舞はごめんだ。自衛隊は直ちに東シナ海から撤退するべきだ。そうすれば、中国に軍艦を近づけないことを要求もできる。自衛隊が中国の沿岸近くまで進出するのでは、中国だって艦船を派遣せざるを得ないだろう。

この事件の発表も謎がある。発表するならどうして何日も経ってからするのか?どうして外務省には連絡せず一方的に発表したのか?邪推すれば、この発表でどんな効果があるかを検討していたのだろう。マスコミに、自衛隊強化の誘導ができるのか、あるいはここで指摘したように、そんな所に出かけるなという世論になるかを判断して、前者とするのに時間がかかったのだろう。後で調べてわかった事は中国艦によるレーダー照射は過去にも何回か起こっており、別に「新たな段階」でもなんでもない。明らかに世論操作のための発表だ。外務省に連絡すれば、過去にも起こっていることが指摘されてしまうから知らせなかったのだろう。

いずれにせよ、防衛省が外務省を差し置いて外交を支配するような状況まで来ているという事態になっていることに間違いはない。

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