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東日本大震災二年目---南相馬の現実 [社会]

東日本大震災から今日で2年目になる。復興とか元気の掛け声はするが、現実はまだ一歩も進んでいない。津波と原発のダブル被害にあった南相馬の状況は特に深刻だ。

南相馬は津波で死者403人、行方不明者1,071人を出した。それだけでも大災害なのだが、不幸なことにこれに中途半端な距離に原発があった。屋内待機を強いられ逃げ出せずに、避難所の人たちは放射線を浴びることになった。身内を失い、避難所に逃れた人たちを見えない恐怖が襲ったのだ。

その二年後、仮設住宅に住む視覚障害者の話を聞いて唖然とした。土地勘のない仮設に移り、外出はヘルパーの助けを借りなければならない。介護保険でヘルパーさんを頼めるはずだが、月に2時間だけと言うことだ。1日ではない。一回1時間が月に二回である。

なぜかと言うと南相馬にはヘルパーさんが足りないからだ。南相馬の人口は30%減った。元気な人たちは、仕事を求めて、また放射線を避けて町から出て行った。残されたのは、他のところで生活を再建する見通しのない高齢者や障害者である。町には高齢者や障害者などの助けが要る人の比率が高くなってしまった。

いくらヘルパーを募集しても、他の町から時給800円のヘルパーをするためにやってくる人はいない。津波で被害を受けただけの町には多くのボランティアが活動しているというが、ボランティアでさえ放射線を怖がって南相馬には来てくれない。だから、ヘルパーの割り当ては月2時間しかないのだ。これが改善される見通しは全く立っていない。それどころか、資金援助さえ削られようとしている。

南相馬の放射線量は市役所で0.3マイクロシーベルト。それでも現実にはかなり放射線量の高い所もある。このことが知れ渡っているから、人も来ない。市街は避難指定からは解除された。やることが逆ではないのか。障害者や、高齢者をしっかりしたサポート体制のあるところに避難させる必要があるのだ。

福島原発の津波で、ひとつはっきりしたのは、原発事故の被害を全部補償しようとすると、とてつもなく金がかかると言うことだ。これは火力の原油コストどころではない。原発が安いというのは、被害にあった人たちを見殺しにして初めて成り立つ議論だ。国や東電は被害者が死に絶えるのをひたすら待っているだけなのだ。
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