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放射能汚染水の真相 [原発]

福島原発で汚染水の処理が問題になっている。最初は原子炉冷却のために大量の水を注入して、炉から漏れ出した水が溜まったと報道されていた。水を回収して再び冷却用に注入する、循環ポンプを設置すれば問題が解決するという話だった。

ところが、循環させるようになっても原子炉建屋の水は増えつづけた。毎日800トンもの汚染水がたちまちのうちに貯蔵タンクを満たして行った。セシウムその他の放射性物質を取り除く装置の導入が急いで行われたが、わかったことは、トリチウムが取り除けないということだ。トリチウムは放射性を持った水素だから水そのものであり、化学的に水から分離するわけにはいかない。

東電は、すでに居直っている。水があふれるから仕方が無いと、トリチウムを含んだ水を海に流すつもりだ。政府も「安易には海に流させない」と海に流すことを予告するような見解を出している。その時々の発表で国民を引っ張りまわしたのだが、実は汚染水を海に流すことは建設時から計画されていたのだ。

福島原発のある地域は地下水位が高い。地面を少し掘れば水が湧き出す。原発の建屋の地下には事故以前から毎日800トンの地下水が流れ込んでいた。それをポンプでくみ出して海に流していた。原子炉は格納容器に収められ、建屋自体には放射能がないからと規制されなかった。一旦原子炉から放射能漏れが起これば毎日800トンの放射能水が出ることは最初から解っていたのだ。ただそれが一般には知らされなかっただけだ。もちろんトリチウムが分離できないこともあたりまえのことだ。

こんなにも地下水位が高い場所に原子炉を作るのが間違っていると言えるが、建設時に問題にならなかった。そのような規制項目はないのだからあきれる。唯一問題になったのは柏崎で、この場合は砂地に原子炉を作るということで注目され、電力中研が極秘に調査して周りに地下水の障壁を作って水位を下げたということだ。しかし、これも大きな水圧には耐えられないから完全ではない。日本では、一般に海の近くは大抵、水位が高い。地震も津波もあることだし、日本は原発の立地に向いていない。柏崎以外の原発では水位対策が行われておらず、事故が起これば汚染水があふれるように設計されている。

水位が高い場所でも地下水問題を回避することはできる。原子炉を地下ではなく地上に作れば良い。高台に作れば津波にも強い。それがなぜ出来ないかというと、遮蔽の土盛りや背の高い建屋の耐震設計のために費用がかさむからだ。もともと原発はコストが高いもので、正直なところ他の発電には太刀打ちできない。それを危険を冒すことで無理やりコストを下げたのが今の原発だと言える。全く未完成の技術だ。

日本政府はこの事故にも懲りず、原発を輸出しようとしている。トルコは日本以上ともいえる地震国なのだが、こんなところに日本製の原発を輸出していいのだろうか。事故が起こったとき当然多額の賠償を要求されるし、日本人全体が、金のためには他国の不幸をいとわない極悪国民と批難されることが、懸念される。一時的な金儲けに終始せず、長い目でみた政策を持って欲しいものだ。

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