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2013参議院選挙の結果ーー「ねじれ」は解消したのか [政治]

参議院議員選挙が終わり、自民・公明の圧勝ということになった。改憲派議員が70%を占めるという危機的状況になった。その中身を見てみると地方区が圧倒的に自民党になっている。比例区の得票率で見ると自民党支持は30.6%しかないのだが、地方区では64%を占め、特に31ある1人区では93.5%を取ってしまっている。一党独裁と言われる中国ですら全人代議員の1/3は野党なのだから、日本はそれを上回る独裁体制ということになる。(中国の議会は100%共産党だと信じている人がいるが、それは間違い)

三分の一しか支持しない勢力が絶対多数を牛耳るという民意と議会の「ねじれ」は極限に達した。議員削減で比例区を減らしててしまったから、ますます「ねじれ」が多くなったのだ。定数削減でますます議席確保安定化できる議員たちにとって定数削減は、まったく「身を切る」はなしではない。

小選挙区は二大政党制を看板にして導入されたが、今回の結果を見ればそれが完全な虚構だったことがわかる。日本のような均質性の高い国、中央集権の強い国では、小選挙区制は一党独裁しか生み出さない。アメリカでは長く、小選挙区制のもとで二大政党制が続いているが、これは広い国で地方性が高いからだ。民主党は伝統的にマサチューセッツなどでの民意を代表し、共和党はテキサスなどを代表している。両州の政治感覚のちがいは大きい。日本は小さな国であり、地域によっての政治風土のちがいなどほとんど無い。よらば大樹の陰となって、大政党に一極集中してしまう。結果として、議会と民意の「ねじれ」が、うまれる。

こうした「ねじれ」の結果、生み出されるのは政治不信であり、民意を代表しない選挙に投票する人が少なくなる。参議院選挙では52.6%しか投票しなかった。だから投票行動で積極的に自民党を支持した人は有権者の1/6だけだと言う事になる。これが圧倒的多数として振る舞い、国を動かすのだから、あらぬ方向に突っ走ってもおかしくない。 適切な人が選ばれる選挙制度こそが、その国の盛衰を決める鍵だ。タレントや二世、官僚ばかりが跋扈する現在の議会が、おかしな選挙制度に基づいていることは誰でもわかりそうなものだ。

小選挙区制を止めること。ビラやネットを自由にし、運動期間を長くして十分な議論を保障することで、選挙制度を改革することがぜひとも必要だ。


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