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タカ派の平和ボケとはどういう事か [政治]

「タカ派の平和ボケ」というのは軍事評論家の田岡俊次さんが使い始めた言葉らしい。「平和ボケ」とい表現は、タカ派がハト派に対して使ってきた言葉で、理想論ばかり言って弱肉強食の現実を見ないことを指していた。戦後続いた平和な時代になれてしまって思考力がボケてきていると酷評するわけだ。

田岡俊次さんが指摘するのは、実はタカ派こそ平和ボケしているのではないかということだ。言うまでもなく戦争は厳しい現実だ。勝っても負けても大きな犠牲を払う。現実を見据えたタカ派は、見通しをつけた上で強硬論を主張する。嘗てのタカ派、例えば中曽根康弘元首相なんかは、自分が戦争も経験しており、強硬論にもそれなりの深みがあった。

ところが、最近のタカ派の主張は、実に上滑りで、中曽根元首相から見ても危なっかしいものだということだ。戦争がどのようなものかがわかっておらず、ゲームの戦争しか経験していない。強気に出れば相手が引っ込むものだと決めてかかっている。軍備を拡大して勇ましいことを言うばかりだ。平和ボケしたタカ派の頭には、戦争ごっこしかない。

現実を見れば、原発を多数作ってそれに依存している状態では、国防もくそも無い。通常のミサイルを一発打ちこんだだけで大混乱になる。TPPで食料を持久できなくなる国に戦争を担えるはずもない。こういったことに、全く関心を持たず、やみくもに強硬なことを言い立てるのは、まさに「タカ派の平和ボケ」そのものである。

軍事の専門家と言われる自衛官も、だれも戦争を体験していない。防衛省の幹部は、予算獲得と発注業務だけに長けた官僚そのものである。上意下達で物事がすべて済むから戦争がないときの軍人ほど官僚的なものはない。無駄使いだけで毎日暮らすのであるから一番、汚職が多くなるし、平和ボケも多くなる。

軍備の拡大も、いったいどこまでやるのか、目標を何に定めるのかを考えていない。人口10億の中国を未来永劫に東シナ海に軍事力で閉じ込めておくなどというのは、まったく現実が見えていないことだ。では、どこで折り合いをつけるか? 何も考えていない。軍事費は国家にとって大きな負担だ。現に、あらゆる社会保障を切り詰めるという代償を払っている。

大日本帝国の中国侵略も同じような道をたどった。 ズルズルと支配範囲を広げてしまい、収集がつかなくなってしまった。 このときも、国内は連戦連勝に沸いていた。戦争すれば、必ず勝つ。戦争中も国内は平和であった。どんどん攻めて行けというマスコミ論調は、厳しい現実を見ない平和ボケであった。平和ボケが無謀な戦争に日本を引きずり込んだ。タカ派の平和ボケこそが、恐ろしい結果をもたらすものだといえる。

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