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マルハニチロの農薬事件 [社会]

マルハニチロの冷凍食品に農薬が入っていた事件には、考えさせられるものがある。まず第一に、製造が、まったく別の会社で行われていたことだ。

マルハニチロは看板だけの会社で、実際にはアクリフーズで作られていた。アクリフーズは食品中毒を起こした雪印乳業が冷凍食品部門を分離独立させたものだ。マルハニチロに買収され、今度また事件を起こしたのでまた名前を変える。法人というのは、無責任というか、責任を忘れさせることがいくらでも出来る存在なのである。

いまの社会は下請けやOEMばかりで、責任を持ったものづくりの体制が失われている。日本の産業構造がおかしくなっているのではないだろうか。看板ばかりが表に出て、都合の悪い看板はいくらでも使い捨てにできる。これでは、製品に愛着を持ち、働く喜びを持つことが難しい。まともな発展が期待できない。

犯人は、49歳の契約社員であるというが、物証もあまりなく、冤罪の可能性さえないとは言えない。食品に農薬を入れても、犯人は何の利益も得られず、動機が十分とはいえないからだ。精神的に追い詰められたやけっぱちの犯行としか解釈のしようがない。精神的に病んでいるのだろう。

入社して8年。いまだに契約社員で、社員になれるよう努力しなければならない立場にある。ベルトコンベアに乗ったピザにチーズなどを並べる作業を朝から晩までするのに、8年で足りないどんな熟練が必要なのだろうか。レストランのピザ職人のように、お客さんの喜ぶ顔も見られない。ひたすら同じ作業を続けるだけだ。年功序列から実力主義となって、給料が減らされたというのだから、なんのことはない、年をとったから給料を減らされたようなものだ。年齢も49歳、契約を打ち切られたら、再就職は難しい。我慢して働くしかない。

もし、僕がそんな状況に追い込まれたら、やけっぱちになって、毒薬でも放り込もうという気持ちに絶対ならないかというと、そんな自信はない。 働く人に、働く喜び、社会の一員としての責任を感じさせる職場が失われている。これは大きな社会問題だろう。低賃金に保つためだけの格付けで、契約社員などという妙なカテゴリーの従業員を作らず、どうして、普通に社員として働かせられないのだろうか。

社会の構造がゆがめば、人々の意識もゆがんでくる。これは、当たりまえのことだ。

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