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イラク派遣自衛隊員の自殺要因 [社会]

湾岸戦争でイラクに派遣された自衛隊員のうち28人が自殺していたことが話題になっている。この自殺率はかなり高い。後方支援であり、戦場には行っていないことになっているが、大きな心理的負担があったことを示している。

自衛隊員は、災害救助などで危険な仕事をすることが多い。心理的負担はある意味で日常的なものだ。命がけの仕事は覚悟の上だろう。しかし、イラク派遣はこういった任務とは違った格段に強い圧迫になった。

自衛隊が莫大な予算を使ってイラクで何をやったかというと、給水とか道路整備などの事業で、戦闘地域ではないところのはずだ。しかし、実際にはイラク全土がテロによっていつでも戦闘地域になる状態だった。危なくて給水車で出かけたり、道路工事をやったりは、簡単にできない。

だから、ほとんどの作業は、現地の作業員を雇ってやらせることになった。自衛隊員が、実際には、何をやっていたかというと、基地に篭ってひたすら待機していただけだ。いつロケット弾が飛んでくるかと怯えながら、何もせずに暮らすだけの毎日。これは堪えるだろう。

延べ1万人が派遣されたというが、何もすることがないのだから、こんな人数はもちろん必要なかった。莫大な予算を消化して実績を作るためだけの政治的派遣だったからだ。

災害救助の場合は、アクティブに作業し、実際に救助された人々から感謝されることも多い。しかし、イラク戦争には大儀がない。3.11テロはイラクには何の関係もなかったし、化学兵器もイラクにはなかった。アメリカが言いがかりをつけて起こした戦争に過ぎない。だから、外国軍隊はイラク人たちにとって迷惑でしかない。

当然、自衛隊員に向けられるイラク市民の目は冷たい。他国に勝手に土足で踏み込む軍隊に温かい目などありようがない。、もちろん、感謝する人の報道はあったが、「やらせ」に過ぎない。一般の人々の心根はおのずと伝わる。一般市民とテロリストの見分けもつかない自衛隊員は毎日テロに怯えるしかない。いくら強固に武装していても、一般市民を攻撃するわけには行かない。目に見えないテロリストに対して、武器など何の役にも立たない。ひたすら、基地に篭って、怯えながら毎日を過ごすしかなかった。これは、なかなかの心理的圧迫だ。

自分自身は、国内でのうのうとしている政治家たちは、しきりと海外派兵をしたがっているようだが、この負担は大きい。今後も海外派兵をするたびに、自衛隊員は自殺に追い込まれる。いやいや、莫大な出費で、社会保障や医療を減らされ、絶望して自殺に追い込まれる国民は、それ以上に多いかもしれない。軍事をもてあそぶ政治家こそ社会の害悪である。



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