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号泣議員を生んだ有権者 [政治]

西宮選出の兵庫県議会議員、野々村竜太郎が記者会見で号泣してわけのわからない言動をしたことが話題になっている。政務調査費を使った出張として、城之崎温泉などに192回も行った旅費を請求していたことが発端だ。領収書もないから多分カラ出張だろう。

まあ、何とも言えない低レベルな話だが、こうした議員を選んでしまう市民の問題の方が実は深刻だ。落選を繰り返していたのが、「西宮維新の会」を名乗り、「国歌・国旗を尊ぶ、愛国心を育む、閉塞感を打破する」を旗印にして当選を果たしたという。大体、地方議会に、こんな右翼旗印を掲げるだけでろくでもない人物だとわからねばならない。暴力団の旗印はすべて「愛国」だ。

ところが、現実に、西宮市民は、彼を県議会議員に選んだのである。西宮というのは、関西では、まあ品格のある町であると言われている。市民がカラ出張容認派でないことは明らかだ。それでもこんな人物を県議に選ぶのだ。選挙に対する真剣さが足りない。

他の町を笑ってはおられない。私の地元である茨城県民は、もっとアホかもしれない。人口密集地帯に近い東海の原発再稼動について、65%の県民は反対である。にもかかわらず、反対とは決して言わない知事を選んでしまっている。県議会はもっとひどい。原発に反対でない議員(賛成であることを隠している議員)は、実に97%なのである。消費税に関しては県民の63%が反対なのだが、県議会総務委員会では全員一致で請願不採択となった。なんという「ねじれ」だろう。

県議会の賛否投票をみれば、知事提案の案件全てに、ほとんど全ての議員が賛成してしまっている。共産党の2名以外の63名がすべて与党なのだ。これでは議会運営も無茶苦茶になる。代表質問は与党だけがやって野党にはやらせない。一般質問は年間30人に限定されている。つまり、議員の半数以上が全く発言しないというものだ。議会の議論は低調そのものになる。

こんな県議会の有様をほとんどの有権者は知らないだろう。結果として、茨城県というのは、全国8位の財政を持ちながら下のような惨憺たる状況だ。原因は有権者の意識が、投票行動と乖離してしまっていることにある。政策に対する意見で投票するのではなく、「知り合いに頼まれた」とか「テレビで見た」とか「イケメンである」とかで投票する。

日本では選挙をあまりにも粗末にしているとしか言いようがない。戦後、今まで一度たりとも自民党とその亜流(民主党も元自民党がかなりいる)の政治から抜け出たことがない。何度選挙をしても政治が変わることがなかったという悪い経験が積み重なってしまっているのが問題なのだろう。

西宮市民が野々村県議を選んでしまったという問題は、全国全ての有権者に当てはまるものなのである。


    茨城県のランキング
  • 老人ホーム定員数(65歳以上人口千人当たり)……… 38位
  • 身体障害者更生援護施設数(人口100万人当たり) … 47位
  • 知的障害者援護施設数(同)…………………………… 46位
  • 児童福祉施設数(人口10万人当たり)………………… 40位
  • 保育所数(0~5歳人口10万人当たり)………………… 35位
  • 一般診療所数(同)……………………………………… 46位
  • 医師数(人口10万人当たり)…………………………… 46位
  • 看護師・准看護師数(100病床当たり)…………………44位
  • 保健師数(人口10万人当たり)………………………… 38位
  • 民生費(人口1人当たり県・市町村財政合計)…………44位
  • 老人福祉費(65歳以上人口1人当たり・同)……………43位
  • 児童福祉費(17歳以下人口1人当たり・同)……………41位



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