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ルービックキューブの解法を考える [雑学]

ルービックキューブが再び流行しているようだ。80年代には、多くの人がチャレンジした難問だったのだが、今ではネットで「やり方」が見つけられ、誰でも出来る。むしろ、速さを競うことになっているようだ。しかし、「やり方を覚える」では、パズルとしての面白さがない。やはり、自力で解いてみるというのが本来の楽しみ方ではないだろうか。

まずは、ぐるぐる廻してみて、ルービックキューブの特性というものを理解する。コマは、エッジ(8)、コーナー(8)センター(6)の3種類あって、当然ながら、これらは混じらない。自由自在に動くようだが、おき方で向きが変わるように見えるが、実はセンターは動かない。だから、各コマの正しい位置というのは一意的に決まっている。自由自在の範囲は、実はそう大きくないのだ。

順次、コマを正しい位置に動かして行けばパズルは完成する。最初の部分は易しいのだが、だんだん難しくなってくる。なぜ難しいかと言えば、一つのコマだけでなく、他のコマも一緒に動いてしまい、せっかく正しい位置に置いたコマが、ずれてしまうからだ。他のコマを動かさずに1つだけ動かせれば、話は簡単だがそうは行かない。あまりに多くのコマが同時に動いてしまうために、次の状態を予測することさえ難しい。

1つのコマだけを動かすことは出来ないとすれば、組み合わせで、最小限のコマの動きを作ることを考えるしかない。基本的に反対回しをすれば、多くのコマはもとに戻る。一番簡単なのは、正面から見て真ん中を向うに廻し、正面を180度左回し、真ん中を手前に廻し、正面を180度右回しというものだろう。全部、反対の動きを重ねているから、結果的に3つのコマが動くだけで、他に影響は与えない。しかもこれはエッジだけが動く。動くコマの数が少なければ、次にどうなるかを考えることもできる。

一番簡単な手順で真ん中を動かすのは、左右の対称性を保って動きを制限するためだが、正面の回転を180度にしたのも同じ理由だ。これを90度にすると5つのコマが動くことになる。4つは正面だが、1つは背面になる。少し動きは複雑だが、動くのはエッジだけで、コーナーは全く動かない。

左回しから始めた正面の回転を右回しから始めても同じく5つが動く。しかし、動きが逆なので、この2つを重ねると、背面からコマが戻り、面内の3つだけが動くだけになる。少ない数のコマの動きを使えば、次にどうなるかを考えることができる。動きの組み合わせを考えていけば、必要な操作にたどりつける。

エッジだけの操作が出来るのだから、まず、最初のまだ自由度が高いうちに、コーナーを揃えてしまうのがよろしかろう。コーナーを揃えてしまえば、あとは、コーナーを一切動かさずに全部をそろえることができるからだ。一旦コーナーを揃えてしまえば、試行錯誤しながらも、コーナーを崩さずに完成まで持っていける。これは大きい。変数分離ができれば、微分方程式が解きやすくなるのと同じだ。

コーナーを動かすのは対称性がとれないから動くコマ数はどうしても多くなるのだが、どうせエッジはあとでそろえるのだから、この段階ではエッジの動きは無視できる。コーナーだけに着目すれば動くコマの数は8つしかないのと同じだから、動きを考えることができる。

上面4つのコーナーをそろえるのは難なくできる。しかし、これを崩さずに下面を動かすわけにはいかない。そこで、1つだけを下面に動かすことを考える。これをまた元に戻す前に、ちょっと下面を動かしておけば、結果的に下面だけが動くことになる。これもなるべく簡単な動きを追求する。そろえた所を崩しても、すぐ戻すのであれば、迷子になることはない。

下面だけの動きとしては、2つのコーナーが入れ替わる組み合わせ、3つのコーナーが回転する組み合わせなどが得られる。下面には4つしかコーナーはないので、こういった動きを適当に試行錯誤しながら組み合わせていけばコーナー全部が合った状態に持って行ける。

一度この状態を実現すれば、前に述べたエッジの操作をすればよいのだから、もはやコーナーが崩れることはない。1つ操作が見つかれば、事前に位置を動かして、操作が使える位置に持ってくることで、操作の適用範囲が広げられる。

コマの動きに行き止まりはなく、すべて順送りである。つまり、どのような手順であっても、同じ手順を繰り返していけば、いつかは必ず元に戻る。これも重要な事実だ。5個が動く手順は、5回繰り返せばもとにもどる。この途中でそのうちの3個だけが動く手順を入れれば、5個の順序を入れ替えることができる。これを使えば、あちらを立てればこちらが立たずの状況から抜け出すことができる。

組み合わせの組み合わせなどということをするので、操作は多い。考えながらだから、短時間でというわけには行かないのだが、こういう風に考えて行けば、確実に解決にたどり着けるのである。一番簡単な動かし方ばかりを使うのだから、特に手順を覚えたりする必要はない。自分で考えて、初めて解いたときには、何ともいえない満足感を味わったものだ。


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