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日本を道連れにして崩壊するアベノミックス [経済]

アベノミックスは異次元金融緩和ということでスタートした。すでに低い金利をさらに低くして企業の投資を呼び起こそうというものであった。どこまで低くするかは、2015年末までに物価上昇が2%という目標を設定した。低金利で設備投資が進み、生産が拡大し、賃金も上昇し、結果として物価もあがる。引き続くデフレスパイラルからの脱却を目指したものだ。

現在、その目標は半分の1%しか達成されていない。いや、その1%も輸入物価の上昇によるものでしかない。アメリカ経済が好調で、金利の引き上げを決めたことで、ドル高が始まった。異次元金融緩和は、もちろん円売りを後押しする。為替レートだけは、確実に動いた。円安で輸入品の価格は上がったが、国内経済は依然としてデフレが続いているのだ。むしろ輸入原料の高騰で、生産は圧迫されている。自動車の輸出は円安で加速されているが、要するに日本人の労働を安売りしているだけだ。国内では生産物が売れない。

アベノミックスは最初から躓いていた。金利を下げて、銀行に資金を提供しても、銀行の投資先はなかったからだ。製品が売れる見込みがないのに設備投資で生産拡大をする会社などあるものか。銀行は、仕方なく、その金で国債を買った。国債の金利も安く、マイナス金利という事態まで起こった。銀行がなぜそこまで金利が安い国債を買うかというと、日銀が上積み値段で買い取ってくれるからだ。日銀が銀行から国債を買えるようにしたのもアベノミックスだ。通貨を発行することができる日銀が国債を買えば、タコが自分の足を食うようなもので、貨幣価値が暴落する。

しかし、今のところ平穏には見える。日銀に国債を売った金は、日銀に預けたままになっているからだ。当座預金残高は、どんどん増えて150兆円にも達している。銀行は、この150兆円をいつでも日銀から引き出せるのだが、今のところ引き出しは行われていない。銀行が引き出しを要求した時、日銀は支払えるのか?もちろん払える。日本銀行券(札)を印刷して渡せばいいからだ。何事も起こったように見えず、その額が不気味に増加しているばかりだ。2015年末には200兆円を越えていることになるだろう。

銀行に資金不足が生じたとき、たとえば何か経済ショックが起こった時、そうでなくとも株価が下がった時には、当座預金の引き出しが始まる。それが金融インフレの始まりだ。自動的に通貨の乱発行と言うことになり、円の貨幣価値が下がり、とんでもない円安が進む。ハイパーインフレに陥り、止めようもなくなる。日本経済の崩壊だ。

株高はいつまでも続かない。時限爆弾はすでにカチカチと音を立てだした。アベノミックスが引き起こす大崩壊がいつ起こるかは、単なる時間の問題なのである。

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