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マイナンバーの恐ろしさ [社会]

数々の反対を押し切り、マイナンバー制度が導入される。国民ひとりひとりに番号を振るのだ。税金や年金などこれまで名前と生年月日などで識別していたことが、一つの番号で確実につかめる。ちょっとアルバイトをして稼いだことも税務署はしっかり知ることになるし、年金が消えることもなくなる。同姓同名といったあいまいさがなくなるからだ。

多くの人たちは、番号を振られることに慣れっこになっている。なんかの会員になれば会員番号がある。お客様番号も勝手に付けられてしまっている。こういった番号はその会の中だけで使われるものだから、退会すればなくなるし、番号を変えてもらうこともできるだろう。A社の番号とB社の番号には何の関連もない。

マイナンバーは、お客様番号とは訳が違う。日本国民を退会することは難しいし、一度振られた番号は、絶対に変えることが出来ない。確実な識別というのは、恐ろしいことでもある。もはや「夜逃げ」なんてことも出来なくなる。マイナンバーが悪人の手に渡れば、死ぬまで追跡される。制度が始まっても、マイナンバーは個人情報として慎重に取り扱って秘匿しておきたいものになる。

ところがである。マイナンバーは、たちまちのうちに広がってしまうことが約束されているのだ。給与所得を把握するために使われるのだから、すべての会社に社員のマイナンバーが登録される。ブラック企業であれ、倒産会社であれ、マイナンバーは知らされるのだ。資産を把握するため、銀行口座はマイナンバーで管理される。だから金融機関は全てマイナンバーを知ることになる。当面、マイナンバーの使用は限定されることにはなっているが、時間の問題だ。やがて学校も卒業証明のためにマイナンバーが必要になるし、警察も免許証の本人確認にマイナンバーを使うことになる。

ネットワークからの情報漏れなどという生やさしいことではない。自分でマイナンバーを広めさせられてしまう。当然のことながら、借金の証文にはマイナンバーを書かねばならなくなるだろう。教える義務はないはずだが、マイナンバーを教えないと言う事は、相手を信用していないと言うことの表現になるから拒むことは難しい。もちろん、サラ金で金を借りても同じことだ。クレジットカードの申込書にはマイナンバー欄がつくようになる。賃貸住宅の契約書もマイナンバーを要求するだろう。ここまで広がると、あらゆる機会にマイナンバーが使われることになる。

マイナンバーを使った信用調査会社が横行するようになる。この番号の人はどういう人物かを調べるのだ。現在でも信用調査会社があり、破産経歴などを把握しているが、同姓同名などがあるから確実性は保障されない。しかし、マイナンバーが導入されるとこれが確実なものになり、範囲が広がる。悪徳商法に対して被害を訴えたら、「クレーマー」として登録されてしまう。ブラック企業で残業代の請求をしたら、「要注意人物」とされ、他の会社への就職に支障がでる。信用調査会社が生殺与奪権を持つようになる。全く事実無根のことを登録するぞと脅す会社も出てくるだろう。

マイナンバーがもたらすものは、がちがちの管理社会である。人々はマイナンバーのために身をすくめて暮らすことになる。実に恐ろしいことだ。

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