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維新の醜態 [政治]

維新が分裂して8億円の取り合いという醜態をさらしている。政党だから、内部に齟齬が生じ、政治的見解の相違で分裂したりするのはあっても良い。しかし、今回の騒動は、単なる泥仕合・利権争いのようであり、レベルの低さを物語るだけだ。とは言っても、あらゆる事象には政治的背景がある。これを少し分析してみよう。

そもそもなぜ維新が出来たかというと、改憲・軍拡などの右翼的目標を掲げながらも実行を躊躇する自民党に飽き足らず、橋下という扇動者を得て自民党に揺さぶりをかける目的を持ったものだった。その意味では、極右・安倍が自民党を掌握した段階で自民党に合流してもよかったことになる。事実、橋下は安倍に何の不満も持っていない。

ところが、維新は、その手法として、第三極の形成という事をやってしまった。人気を得るために反原発とか、権力批判を用いたのだ。もちろん、これらは策術であり、その後の経過を見れば本気でなかったことは明らかだが、自民党とは異なる勢力という看板は降ろせなくなってしまった。

これは、小選挙区制という選挙制度の宿命である。共産党のように、よほどしっかりした政治理念を持っていない限り、第三極は政権交代勢力に成長するか、消えてなくなるかのどちらかを強いられる。なりふり構わず前者を選んだのは橋下だ。江田たちに盛んに秋波を送り、石原を切り捨ててまでして、「みんな」の残党を受け入れて野党再編に進んだ。落ち目の維新看板を背負っての国会議論は厳しい。与党に反対しなくては野党の存在意義はない。戦争法案では、維新は野党の立場を明確にした。

これが橋下の気にいらなかった。橋下のやりたかったことは安倍支持である。自らが仕掛けた野党再編とは矛盾する。このまま野党再編路線で進んで行けば、維新は橋下の思惑を外れて、反安倍の政党となってしまう。かといって安倍支持で存続の見通しもない。そんな事をすれば、ますます維新の存在は埋没してしまう。橋下は、自分の影響力が衰えないうちに、維新を清算することを決めた。身勝手なものだ。

いちばんコケにされたのは、「みんな」から野党再編に引かれて維新に移った連中だろう。橋下人気にあやかろうと思えば、橋下の気まぐれに絶対服従しなければならない。政治家でありながら政治理念を捨てて、議席にしがみつこうとした者の身から出た錆と言えばそのとおりでしかない。橋下のやろうとしていることは、大阪での地盤の確保だけだ。そのために大阪でもないのに「おおさか維新」の看板を背負わされることになった地方議員も困惑しているだろう。身から出た錆の同類だ。橋下が起用した民間人に不祥事が続出していることからもわかるように、橋下にすり寄ろうとするのはその程度の輩ばかりだ。

分裂騒ぎで、橋下側についた連中も、さらなる理不尽な絶対服従を強いられて行く事になる。政権への展望もなく、独自の政治主張も発揮できず、細り行く票を気にしながらの議員生活では、せめて金でもということになるだろう。8億円の取り合いだけではない、金に汚くならざるを得ない。維新系の不祥事は今でも多いのだが、これからもますます増えていくだろう。

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keitan

何の理念や政策の検討をもせずに先方の勢いだけで自分達の議席のために利用できると踏み、橋下氏の旧維新と合流して付いて行った旧みんな、所謂東京組が全て悪い。そんな単純な道理をも弁えずに大阪組はおかしいやの東京組に分があるやのとは何様の積りなのか? 御前等の掌を見てから物を言えと思うばかりでなのであります。「人」とでも書いてあるのかいな?
by keitan (2015-10-30 19:14) 

kodomo

仰せのとおり、東京組に理はありません。しかし、大阪組も「人気あやかりたい」根性はおなじで、上西小百合みたいな輩ばっかりです。
by kodomo (2015-11-05 14:09) 

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