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羊頭狗肉政治 [政治]

宋代の禅僧、無門慧開が、禅問答48講を集めた無門関という公案集がある。その第六則「世尊拈花」では、釈迦が弟子を集めて説法した時、何も言わずにただ一枝の花を見せたと言うことに付いての議論をしている。

皆黙った中で迦葉だけがにこりと微笑んだ。それで釈迦は「仏法の神髄を迦葉に伝授した」と言った。

無門和尚は、これに疑問を投げかけている。そんなことで仏法の真髄、正法眼蔵が伝わるものなのか?にっこり笑っただけで伝わったことがわかるものなのか。もし、全員がにっこり笑ったり、だれも笑わなかったら、どういうつもりだったのか?このやり方は「羊頭を懸けて狗肉を売る」ではないのか?

この問いかけが、禅問答なのだが、ここで初めて使った使った羊頭狗肉と言う表現が、今に伝わるものだ。下敷きはあって、古くは『晏子春秋』に「猶牛首を門に懸けて馬肉を売るがごとし」というのもある。

必ずしも偽物というわけではない。掲げているのは羊の頭であるが、それが直接、羊の肉を売っていることを意味するわけではない。だから売っているのが、犬の肉であっても構わない。ということになる。それでいいのか?

日本の選挙で行われていることは、まさに羊頭狗肉である。確かに、自民党は選挙で多数議席を得た。しかし、選挙の時に「戦争法案賛成の私に一票を」と訴えた議員は一人もいない。「中央とのパイプで、予算を取ってくる私に」とか、「夢を与えるイケメンの私に一票を」などといったことばかりだった。戦争法案について語ってないのは公約違反ではないと居直っている。多くの人達が戦争法案に反対だったが、それは国会の議席には反映されていない。なぜこういった羊頭狗肉が横行するのか。

選挙制度に問題があると言うべきだろう。知名度だけが大切で、名前の連呼で終わるような選挙では、まともな結果は出てこない。政治家が、もっと切磋琢磨されなければならない。選挙運動を自由化して、もっと政策を語らせねばならない。選挙期間も短すぎる。だから二世とかタレントばかりが議員になることになる。

選挙制度は国の根幹に関わる問題だ。議員がまともに選出されることは、国の命運を決めることだ。おろそかにしてはならない。羊頭狗肉で選ばれた議員たちが世論からかけ離れたことをやる事態が続けば、日本は、どんどん衰退していくだろう。

日本の政治風土の根底を正すためにも、羊頭狗肉に対するしっぺ返しをするべきだ。戦争法案廃止の一点で自民党に協力対抗すれば、次の参議院選挙で過半数を取れる。戦争法案賛成勢力は3分の1しかいないはずだ。野党が協力に合意すれば、そのことで選挙の争点を一点に絞ることができる。この一点に争点を絞ることで、羊頭狗肉を排除できるのだ。

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