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自動車保険は必要か? [社会]

世間では任意自動車保険の重要性が強調されている。まちがっても、任意保険なしで運転してはいけないなどと言う人もあるくらいだ。しかし、自賠責保険という保険制度があってこれは車検の時にすでに入っている。なぜ、二重に保険に入らなくてはならないかと言う疑問について書いてみよう。私は無事故無違反でゴールド免許をもっているが、今から書くことは常識的な運転をする人に限った議論だということを断っておく。

任意保険の理由は、自賠責保険は損失を与えた相手方に最高3000万円までしか払わないので、それでは被害者がとても納得しないからだという。しかしもし、それが事実なら自賠責保険の存在がおかしいことになる。判例を調べて見ると、老人の死亡で2000万円、主婦だと2300万円、働き盛りでも被害者に過失があったり、定年までの年数が少なかったりで、大体3000万円に収まっている。だから自賠責の金額設定はそうおかしなものではないのだ。

判例だからといって被害者が満足するわけはないが、逆に任意保険に入っておれば、自賠責保険の査定額に気前よくプラスして、補償をだすことができるかといえばそうではない。金額を査定して、まず、自賠責保険で支払い、たりない分を任意保険が払うと言う仕組みだ。保険会社は、なんのかんのと難癖をつけて値切りに値切る。結局のところ自賠責保険の範囲に押し込み、任意保険は一銭も払わないというのが99%のケースだ。判例に準じて査定すれば当然そうなる。残りの1%のために任意保険があるとすれば、それはあまりにも高価だ。それに、この1%は、酒酔い運転で歩行者を跳ねるなどと言う非常識な運転さえしなければ、避けられるように思う。

障害事故の時もあまり必要とは思われない。友人が交通障害事故の被害者になって、その補償問題に付き合った経験があるが、保険会社の対応はひどいものだ。高い保険に入っているから、、もしものとき、被害者に満足してもらえるかと思ったらそれは間違いだ。保険会社は出費を抑えるために最大限値切る。休業補償にも、後遺症の慰謝料にも難癖をつけて値切る。どこまで値切るかというと、大体総額200万円以下である。なぜこの金額かというとそれは自賠責保険の限度額だからだ。交渉に当たるのは任意保険の会社なのだが、自社は一銭も払わないのだ。逆に自賠責の限度額までは気前よく払う。自分の懐は痛まないからだ。

それでは対物補償はどうだろう?確かに自賠責に対物はないし、事故のほとんどは対物だから、これは有意義かとも思えるのだが、等級の上昇と免責額という落とし穴がある。相手の車にコツンとぶつけたという、良くあるケースでは、修理費が10万円くらいだが、免責3万円が自己負担になる。その上、等級が上がって保険料が1万円も上がる。そしてこれがずっと尾を引くのだから、総計支払いは20万円を超えることになる。サラ金に借りなければ10万円が払えない人以外、保険を使うメリットはない。

確かに対物賠償がもっと高額な場合もある。ぶつけた相手がBMWで大破した場合1000万円にもなるだろう。しかし、そんな事故が、自分が100%悪いということで起こるだろうかと考えて見る。五分五分なら払う必要はない。7分3分なら300万円が必要な金額だ。定期預金を崩しても300万円が払えない人には任意保険のメリットがあることになるが、300万円がなんとか都合のつく人には役に立たない。

それでは、任意保険に入るのを止められるかというと、これがなかなか難しい。事故の相手がヤクザとか、クレーマーの場合、自分で対応するのが大変だ。もう一つは、任意保険に入っていないこと自体が、まるで交通違反を犯したような目で見られることだ。これは保険会社と交通安全協会がぐるになって、作った風潮であるが、かなり根強い。結局は保険会社というヤクザ集団にみかじめ料をむしられているような状態が続いていることになる。

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