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タイで働く若者 [社会]

タイに出かけて働く若い人が、かなりいるらしい。高い技術が学べるわけでもなく、賃金水準ももちろん低い。タイ政府の移民政策で就労許可は、月60000バーツ以上でなければ得られない。だからこれ以上の給料が保障されているのだが、それにしても日本円で言えば18万円だから、大卒なら高くはない。

理由は、仕事の質だという。タイの大卒サラリーマンの賃金は30000バーツ位だからその二倍。つまり、最初から部長級以上の仕事をすると言うことになる。タイに進出した日系企業は、工場を作り、タイ人の労働者を雇って生産するが、こういった生産を取り仕切る人材が必要だ。

多くの企業が、駐在員をタイに送りこんでいるが、会社にとってはこの経費は大きい。本社での給与のほかに、出張手当や渡航経費がかさむ。駐在する人の社内でのキャリアパスを考えると、2,3年で帰国せざるを得ない。だから現地で日本人を採用できればありがたいのだ。日本式の社内コミュニケーションを心得ていることが条件になるから新卒よりも、少し日本での勤務経験があることが望まれる。

日本におれば、20代なら、上司の指示にしたがって、仕事をこなし、卒なくこなすことで、上司の信頼を得ることばかりが求められる。リーダー的性格の人は、上司と衝突してはじかれるのがおちだ。しかし、タイなら、最初から、何百人もを使って生産を実現する管理職としての実力が求められる。これが、タイでの就職の魅力だそうだ。日系企業でない場合も普通の二倍の給料だから、それなりに責任ある立場で働くことになる。

20代で部長級なんてことが日本国内であるかというと、実は多くある。国家公務員が伝統的にそうだ。中央省庁のエリート職員になると、たいてい、県などに出向して、20代で部長などを経験する。ただし、ここでは、厳しく実力を問われるのではなく、実際の仕事は次長にやらして、「よきにはからえ」と、鷹揚な姿勢を取る事を学ぶだけだ。

優秀な部下を信じてすべてを任せるというのが、日本の管理職のあり方だ。部下を叱咤激励して、仕事を進める厳しい競争を強いられたら、それはもうエリートから脱落した名ばかり管理職である。なにもしない人が、優れたリーダーとして尊敬される。こういった不思議な構造が日本社会にはある。

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