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秘密保護法で変わるこれからの日本 [社会]

秘密保護法が国会を通ってしまった。多くの反対を押し切ってのごり押しであり、歴史に残る稀代の悪法が生まれたことになる。だからと言って明日から、秘密に近づいたとしてどんどん逮捕者が生まれるというわけではないだろう。この法律のもとで、どのような変化がおこるかを考えてみよう。この法律の効果は、秘密を漏らした人が罰せられるというような単純なものではない。

まず第一は、国が大手を振って国民に対して秘密な動きができるようになることだ。おそらく、最初おこることは、マスコミ操作だろう。マスコミの買収、あるいは報道強要がはじまる。これまでも、そういった動きはあったのだが、国会でも追及されるから、制約があった。これからは、大手を振って秘密だからと押し通せる。すでに何億円もある内閣機密費を使って、改憲に向けたキャンペーンが繰り広げられるだろう。これは、必ず行われると断言できる。

次に起こることは、秘密警察の暗躍だろう。 この法律の非常に重要な部分は「犯罪予防」を認めることにある。秘密を漏らしそうな人物、あるいは、秘密を探り出そうとしそうな人物をマークして「予防」することが出来る。政府が、「テロに類する(テロではない!)」と認めれば、秘密警察が尾行して、微罪逮捕も容易に出来る。秘密警察が何をしようが、それは国家の秘密として永久に隠すことができる。

秘密警察は謀略組織でもある。政府に対する反対運動にもぐりこんで、分裂させたり、あるいはわざと違法行為意の方向に持って行ったりすることが、盛んに行われる。内閣調査室、公安調査庁、自衛隊情報保全隊などの組織が拡大していくだろう。こういった組織が何をしても、秘密保護法で厚い壁に守られるようになる。反原発運動の内紛とか、野党議員の資金使い込みなどが、きっとニュースになるだろう。

秘密は腐敗をも、もたらす。秘密保護法の壁に守られて、防衛省は汚職の巣窟になる。どのような賄賂を取ろうと、それが暴露される心配はない。今でさえ、防衛大学の卒業生は、将来の金づるとして、防衛産業から、かなりの「好意」を受け取っているが、その歯止めは取り払われた。今後ますます防衛費が増えていき、多くが、防衛官僚と防衛産業のふところにおさまり、国の財政は疲弊していく。

こういった腐敗は政府全体に広がる。秘密保持を理由に、闇から闇へものごとが隠されるようになる。何が秘密なのかはいくらでも決められるからだ。政府の秘密の範囲はどんどん拡大していく。世の中は、全てが裏金や裏取引で進むようになる。闇を渡り歩く人物が、著量跋扈し、まじめに働く人々は希望を失う。

秘密保護法で国家の変質が起こる。国家とは、国民に隠れて様々な悪事を働く組織となるのだ。もちろん、こんな国がまともに発展するとは考えられない。経済はますます沈滞し、社会全体がすさんでいく。人口も減少し、日本の状況は、見るも無残な状況を呈するようになる。一時は社会主義を標榜した国が、衰えて行ったのは、社会制度の問題というより、社会主義を守るためと称して、秘密警察に依拠した政治をしたことが大きい。資本主義でも秘密警察の弊害は同じことだ。

政府に抵抗を示し、秘密を暴露しようとする人がこの段階になって、やっと出てくるが、そのときには秘密保護法の本来の条文が力を発揮して、これを押さえつける。多くの人がこの法律で処罰されるのは、このような事態になってからだろう。歴史的審判が下り、廃止されるまでには長い時間がかかるし、大きな犠牲を生み出すかもしれない。残念なことに日本はそういった道を選んでしまった。

2013年12月6日はそのような日として記憶されるだろう。
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