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「俺たちサギ」に気をつけよう--ホリエモンの逆襲 [社会]

「オレオレ詐欺」が流行っていて、なかなか根絶できないが、「俺たちサギ」というのも昔からあって、なかなかなくならない。今回の東京都知事選挙でも「家入かずま」という候補者が出ていた。細面のやさしそうな、なかなか格好のよい青年に見える。記者会見でも、少しはにかみながら、素人っぽく語っていた。なんでも、学校でいじめにあって、不登校を経験したらしい。弱いものの気持ちがわかると強調していた。

今の政治は、なんだか偉い人たちが、かってにやっていて、俺たち若者にはよくわからない。若者が、ツイッターでつながり、意見を集めて行けば、政治を身近なものにできる。政策は、ざっくりしたものしかできていないが、これから多くのつながりで作り上げて行く。俺たちには金もないけど、つながることができる。もっとインターネットを活用して、俺たち若者がリードできる世の中にして行きたい。

ざっと、こんなところが彼の会見の内容だった。金もない若者が、よく300万円の供託金を出せるものだと思ったら、同席しているのが、刑務所から出所してきたホリエモンだった。本人も実は、いくつかの会社の社長だから「金もない」は明らかなウソだ。実業家とか会社の社長などという連中はほとんどの人にとって、年齢とは関係なく、「あいつら」であり、決して「俺たち」ではない。

俺たち若者がつながればいい政策ができるなどというごまかしは、ずっと昔から続けられている。すべての悪徳政治家が、若いころ必ず一度は口にするセリフだ。

誰もが満足する政治というのはない。原発廃止は、苦労して東電の社員になり、やっと人並み以上の収入を得られた人にとってはきわめて不満足なものだ。低賃金でバイト社員をこき使い、荒稼ぎしている青年社長にとって、ブラック企業規正法は悪にちがいない。政治とは、対立する利害を決着させるものであり、誰の利益を優先するかを決めるものだ。どこに対立があるのかを見極めることが肝要になる。

現在の対立は当然、今の政治で潤っている金持ちと、働かされて給料が少ない庶民との対立であり、年齢ではない。若者がインターネットでつながればよい政策ができるなどと、幻想を振りまくのは、ごまかしの表れだ。

彼のホームページを見ると、明らかに他の候補のホームページとは異なるデザインの凝ったものだ。随分と金もかかっていそうだ。そこに「俺たち」が集めた政策が載っている。ツイッターで寄せられた若者の意見を集約したものだそうだ。ツイッターで集められはするが、それをどう集約するのだろうか。気に入ったものだけを選んであたかも「俺たち」が言い出したように装う。

ダンスを規制する風営法はおかしいとか、インターネットで議会の透明性を上げるとか、耳障りの良い政策も、大きく、掲示板風に貼り付けられているのだが、小さく書いてある政策には唖然とするものがあった。「最低賃金を時給500円に引き下げる」「猪瀬を副知事にする」「法人税を引き下げる」「障碍者施設を民営化してしまう」。こんなものをツイッターで望んだ「俺たち」がどこにいるのだろうか。これは、詐欺でしかない。

原発再稼動については何も語らない。ブラック企業の規制については何も語らない。憲法の平和条項についても何も語らない。しかし、スポンサーである堀江は自民党から立候補したこともある人物だ。おのずと姿勢はあきらかだろう。候補者がこういったことに口をつむぐこと自体が詐欺かもしれない。

刑務所から出てきた堀江は依然として金をしこたまもっており、こうした「俺たち詐欺」は金権主義復活の第一歩かもしれない。実は、家入かずまの知事選出馬は、区長選挙に立候補するための布石だったということだ。合法事前運動費なら「あいつら」金持ちにとっては、300万円くらい安いものだ。

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