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人種差別に甘い日本 [社会]

サッカー、スペインリーグの試合(4月27日)で、バルセロナのダニエル・アウベス選手に対して、バナナを投げ込んだ観客がいた。これは、黒人を猿扱いする差別表現の一種なのだが、この観客に対して、サッカー場は、永久入場禁止の処分をした。それだけではなく、基本的人権の侵害だから、禁固3年の罪になるとして、警察が逮捕した。

人種差別ということが、これほど重い罪だということに驚く日本人も多いだろう。日本は人種差別に対して甘い国なのだ。ウクライナの内紛も、民族対立の側面が表に出てきている。いろんな民族が隣り合わせのなっている地域では、民族の違いをうまく処理しないと大変な事態を招く恐れがある。なんとかして、人種対立を紛争にしない努力が絶えず必要なのだ。だから、人種差別を助長するような行為は、社会全体にとって害悪だとする認識が、はっきりしている。

サッカー選手の事件は、ヨーロッパにアフリカから流れ込んでくる人たちが多くなっていることから来ているのだが、日本でも、今後、中国、朝鮮、東南アジアからの流入人口が、どんどん増えていく。これは、交通が発達すれば、地理的に避けられないことだ。

日本では、これまで外国人の定住が少なかったので、人種紛争に対する経験が少ない。だから人種差別に対する意識も低いと言われている。海に囲まれた島国であり、昔はそう簡単に外国人が流入すすこともなかった。鎖国という時代もあった。日本列島は日本人が住む国で、日本人以外を考慮する必要がないと考えている人が多いだろう。しかし、時代は変わっている。数万円の切符でいくらでも外国に出入りできる。人種の混在はもはや止めようがない流れとなって行く。

日本に、人種問題がなかったかというと、そうではなく、在日朝鮮人の問題はずっとあった。在日朝鮮人の問題は、過去の朝鮮侵略が尾を引いており、アメリカの黒人問題と類似の様相もあるし、北海道ではアイヌが差別されたこともある。アメリカの黒人ほど多くなかったので、差別に対する抵抗運動が大きくならなかっただけだ。多くの日本人が人種問題に対して、見て見ぬふりをしてきたと言える。

そういった対応ももはや限界に来ている。日本は、今後、アメリカ型とヨーロッパ型両方の人種問題を抱えて行く。多様な民族が共存できる社会に、日本を育て上げていかなくてはならない。これをうまく処理しないと憎悪が渦巻く住みにくい社会になる。しかし、そういった動きは今のところまったくない。スペインサッカー協会の処置に驚く我々は、世界の流れに明らかな遅れを取っている。

ザイトクなどという露骨な人種差別主義者が大手を振って歩いていることは、世界の倫理標準から見て、極めて異常な事態だろう。やたらと中国との対立を強調して、経済不調の責任を転嫁しようとしている安倍内閣自体が、もはや世界的には時代遅れもはなはだしいと言うことだ。

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