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情報流出の根本問題 ----- ベネッセ事件 [社会]

ベネッセが大量の顧客情報を流出させて問題になっている。派遣社員が逮捕され、これがシステムの技術的な問題ではなく、人為的な事件であったことが明らかになった。下請けの派遣社員にこういった大切なデータを丸渡ししていたことが批判されているが、実は、これはそう簡単な問題ではない。

どの大会社もSEは外注が多い。そういった技術が社内にないという理由もあるが、社内の人事体制に組み込みにくいと言うことが根本にある。日本の会社の処遇は、年齢とともに、だんだん上の役職に上がって行く事を前提にしている。しかし、SE等の分野は専門性が高く、社内では行き止まりにならざるを得ない。質の高い若年層も、他の社員とは処遇の水準が異なる。

だから、これからも、ベネッセがこの部門を全部自社でやることはないはずだ。外注となれば、コストの競争になる。こういった人が売り物の業界では、余剰人員は許されない。コンスタントに受注できればいいのだが、受注には波があるから絶えず人数の調整がいる。仕事の一部を他社に廻したり、派遣に頼るのは必然なのだ。

これは、ベネッセに限らない、もっと大切な情報を扱う、政府機関でも、情報は殆ど外注だし、当然、下請けから派遣へと情報は漏れる。入退室を管理したり、技術者をガチガチに縛ることで、管理を徹底することは、すでに行われているようだが、そんなことでは不十分であることが今回証明されたといえる。ピラミッド型にこだわる人事のありかたが根本問題としてある。

もう一つの問題も指摘しておこう。派遣社員だけが罪に問われ、情報を買ったほうが罪に問われないのはどういうことだろう。買い方がいることで、情報を手にした者が誘惑されたと見ることもできる。大量の名簿があれば、どこから来たのかの疑問が湧いて当然だ。「まさか盗んだものとは思わなかった」は、見え透いた嘘だ。こういった犯罪を防ぐために一番有効なのは名簿の買取を禁止することだ。買った側を免罪することで問題が継続している。

同じことが他でも行われている。古本屋に並んでいる未読の新刊書はなんだ。金券ショップにある大量の新幹線回数券もそうだ。買う側に根本的な問題がある。最近多発しているオレオレ詐欺でも「単にATMから引き出しを頼まれただけ」などということで、大元の犯人がなかなか捕まらない。頼まれただけだが逃げ口上である。

なぜ、こういったことがいつまでも通用するかというと、支配者たちが、いつもこの手口を使っているからだ。不法投棄も頼んだ大元は「まさか不法に投棄するとは思わなかった」で逃げるし、政治家は、「秘書が勝手にやった」で済ますのが常套手段だ。すべて嘘である。

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